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国際政治・世界事情
4665
:
チバQ
:2012/06/29(金) 19:21:48
http://mainichi.jp/opinion/news/20120620ddm003030076000c.html?inb=yt
クローズアップ2012:シリア「内戦状態」 報復連鎖「春」は遠く 政権背水、国連手詰まり
毎日新聞 2012年06月20日 東京朝刊
シリアの民主化騒乱開始後の死者数
拡大写真 アサド政権軍と反体制派の武力衝突が激化するシリアは「内戦状態」に陥った。展開中の国連シリア停戦監視団は活動中断に追い込まれ、局面打開のカギを握るとされる2大国・米露のミゾは埋まらず、解決策を見いだせないでいる。「アラブの春」から取り残されたシリアで続く「虐殺」と「報復」。シリア情勢は泥沼化の様相をみせる。【カイロ前田英司、ニューヨーク草野和彦、ロスカボス(メキシコ)白戸圭一、モスクワ田中洋之】
「この3〜4日間、砲弾や迫撃弾が撃ち込まれ続けている。連日少なくとも20人が死んでいる状況だ」
シリア中部ホムスで活動する反体制派活動家のワリド・ファレス氏が19日、毎日新聞の電話取材に声を張り上げた。受話器から爆発音が何度も聞こえてくる。ホムスは反体制勢力が強く、政府軍は約2週間前から包囲を強化、「1日数発だった着弾数が今は50発近くだ」(ファレス氏)。戦闘は収まる気配がなく、市内には約1000世帯が退避できず取り残される事態になった。
シリアに展開する約300人の国連シリア停戦監視団は16日以降、治安情勢の悪化で活動を中断している。国連本部内では「非武装で、しかも攻撃されたのに『現場に行け』とは言えない」などの声が上がる。
. ムード団長は16日、政府軍と反体制派の暴力の連鎖が「過去10日間」に激化したと中断理由を説明した。中部クベイルなどで「虐殺」が発覚し、離反兵士団体「自由シリア軍」の前線兵士が停戦放棄を公言し出した時期と前後する。
反体制派はこの頃から対戦車ミサイルを駆使し、政府軍の戦闘車両を標的にした。危機感を強めた政府軍は攻撃ヘリコプターを投入し、反体制派の拠点奪還のため集中砲撃に出て、戦闘が拡大した。
反体制派組織「地域調整委員会」は、監視団の活動中断を「市民の放棄で受け入れられない」と非難。一方、シリア外務省は「『武装テロ集団』が暴力を激化させた」と訴え、「アラブ諸国などが最新の武器を提供している」と主張した。反体制派は毎日新聞の取材にサウジアラビアやカタールからの資金供与を認めている。
ジュネーブで18日開かれた国連人権理事会でピレイ人権高等弁務官はアサド政権の弾圧を厳しく非難し、「戦争犯罪となる可能性もある」と述べた。
だが、シリア国内少数派のイスラム教アラウィ派出身で父子40年の支配を続けるアサド大統領にとり、政権崩壊は自らの命だけでなく、アラウィ派全体の危機であり、妥協できない。ロシアの後ろ盾が強硬姿勢を支えている。一方、反体制派は密輸や国内外の支援で武装強化を図るが、正規軍との差は依然大きく、米欧の積極介入に期待するのが本音だ。
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