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国際政治・世界事情

4491チバQ:2012/06/10(日) 10:32:21
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120610/erp12061009150005-n1.htm
【ギリシャ危機と世界】
(下)ユーロ最大の受益者 独の恐怖のシナリオ
2012.6.10 09:13 (1/3ページ)

アテネの中心部シンタグマ広場で、緊縮策に抗議した自殺者の追悼の碑に足を止める人々
 アテネ中心部のシンタグマ広場に、人々が足を止める大木がある。「ごみをあさる前に尊厳を持って死ぬ」。根元の石碑にはそう刻まれている。

 欧州連合(EU)の支援の条件に受け入れた財政緊縮策で、ギリシャ国民は賃金や年金カットを強いられた。一見、平穏な国会前のその広場は、国民がデモなどでその怒りを表現する舞台だ。石碑は、4月に拳銃自殺した年金生活者を追悼するために置かれた。


「独り勝ち」に不満


 国民の不満の矛先は、債務危機対応を主導するドイツに向いている。地元紙はメルケル首相をヒトラーになぞらえたマンガを載せる。

 「ドイツ人は欧州で一番えらくなりたいんじゃないか」。広場でたたずむ年金生活の男性(66)はいぶかり、中年男性は「危機でもうけたのはドイツ」と反感を隠さない。

 ドイツの「独り勝ち」は統計が示す。昨年の輸出入総額はともに過去最高を記録。輸出は初めて1兆ユーロを突破した。失業率はユーロ圏17カ国が過去最悪の11%に対し、ドイツの失業率は6・7%(5月)と20年ぶりの低水準にある。


奏功した構造改革


 堅調な独経済の背景に指摘されるのは、シュレーダー前政権(1998〜2005年)下の構造改革だ。

 ドイツは1990年の東西統一後、旧東独再建に膨大な費用を投入し財政は悪化。失業率も高まり、「欧州の病人」と皮肉られた。

 シュレーダー政権は失業手当の給付期間短縮や年金の実質的削減を断行。労組は賃金抑制を受け入れた。労働者の操業短縮による賃金削減分を国が補償する制度により、4年前の世界的な金融危機でも、大規模な解雇はせずにすみ、失業率上昇を抑えた。


「本質くもらせた」


 今日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)の国際競争力ランキングで、ドイツが9位とユーロ圏から唯一トップ10入りした。

 独シンクタンク、フリードリヒ・エーベルト財団のビョルン・ハッカー氏は「ユーロ導入がドイツを利した」との認識を示す。

 各国がまだ独自通貨を使用していた90年代、スペインやイタリアは通貨価値を切り下げて、ドイツに対する輸出競争力強化を図った。通貨統合でドイツが同様の危険にさらされることはなくなった。

 欧州中央銀行(ECB)の金融政策も、独経済の停滞が続く2000年代半ば、低めの政策金利を維持。この結果、スペインの住宅バブルが加速したともされる。同国の金融不安はこのバブル崩壊が原因だ。

 改革の成果を自任し、他国にもまず緊縮を求める。世論調査では、ギリシャが緊縮策を履行しないならユーロから離脱すべきだと独国民の8割超が回答した。

 だが、ギリシャ人の元世界銀行アナリスト、エレナ・パナリティス氏は危機の根本原因は、通貨はひとつでも財政は別というユーロの欠陥にあるとし、個々の国の財政だけを問題にするドイツの態度は「本質をくもらせた」と批判する。


負の連鎖を危惧


 金融機関はギリシャ向け貸し付けを減らしており、同国のユーロ離脱に伴う混乱は乗り切れるともいわれる。だが、ドイツが最も恐れるのは、ユーロの信認喪失による負の連鎖だ。

 市場はギリシャの“次”を探し、ユーロ圏から資金が流出。影響は世界経済にもおよび、独経済を牽引(けんいん)する輸出への打撃は必至だ。仮にユーロを断念し、マルクを復活させても、相場の上昇で輸出は減ってしまう。

 「ユーロ圏は一つの船。どの国も一国では生き残れない」とハッカー氏。

 通貨統合により統一ドイツの影響力増大を抑えることが目的だったとされるユーロ導入で、むしろドイツが力を増している今の光景は皮肉ともいえる。

 独紙南ドイツ新聞に掲載されたフィッシャー元外相の寄稿は激烈だ。「ドイツは20世紀、戦争で2度欧州の秩序を破壊した。今度は平和的に善意によって3度目の破滅をもたらすとすれば、それは悲劇だ」(アテネ、ベルリン 宮下日出男)


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