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国際政治・世界事情

438千葉9区:2009/01/09(金) 00:38:38
 10月に発効した米印原子力協定は、米国からの核燃料や原子炉などの輸出を可能にした。核不拡散条約(NPT)非加盟のインドへは原則許されない輸出を、例外扱いで認めた。中国とのパワーバランスを考慮したことに加え、インドの「原子力需要」を期待する米産業界の意向も反映したとみられる。

 インドの地元紙は協定締結の意義をこう報じた。「米国を動かしたことで、国際社会はインドの再評価を迫られるだろう。世界のルールメーカーに一歩近づくのだ」

 「自負」に裏打ちされた独自路線は、どこまで進むのか。

 元国連大使のパバン・バルマ外務次官補は「インドは身の丈にあった、ふさわしい位置を与えられようとしているだけだ」と語る。同氏によると、インドは植民地になる前は、世界の貿易の2割以上を占めていた。再び国際舞台に躍り出るのは「歴史の必然」で、「民主主義国家のインドは、いずれ米国の最大のパートナーになる」という。

 元駐日大使で国家安全保障諮問委員会メンバーのアルジュン・アスラニ氏は「良き友人とは、適切なアドバイスもできる存在なのだ」と話す。

 米のイラク攻撃に苦言を呈さなかった日英は友人といえるのか。NPT体制は核兵器の全廃ではなく「持たざる国」との格差の固定につながっていないか。WTO交渉は、途上国の利益を軽んじていないか。そして、こう付け加えた。「長年、植民地にされたインドには、独立国として自らの利益を追求したいという気持ちが人一倍強い」

     ◇

 米国への対抗心を表に出すロシアと、静かに大国意識を膨らますインド。しかし、国力の基盤になる経済は、両国とも急速に揺らいでいる。

 ロシアでは、昨夏のグルジア紛争などで投資家が離れ、株価は5月の高値から7割も下げた。日米欧の主要国をしのぐ急落は、原油価格の跳ね上がりが暴落に転じたことも反映している。資源頼みの成長の半面で、他の産業や金融の基盤づくりが遅れていたツケともいえる。

 モスクワ市内に欧州一となる高さのタワーを建設中の大手開発会社MIRAXグループは、外資中心に借りた約4千万ドル(約37億円)の借り換えが難航。建設凍結とも報じられた。ドミトリー・ルツェンコ取締役(37)は「国内では長期の安定した借り入れが難しい」とこぼした。09年の成長率は2%台半ばにとどまり、失業者が40万人増えるという予測もある。

 政府は数兆円規模の景気対策を打ち出したが、11月は財政収支が赤字に転落。原油価格が低迷すれば、これまでの原油輸出で蓄えた基金が3年で底をつく恐れもある。

 英王立国際問題研究所のマイケル・ブラッドショー教授(49)は「頼みの油田は老朽化が進んでいる。新規投資ができないと生産量が先細りになりかねない」とみる。

 政府が車の輸入関税引き上げを決めると、各地で反対デモが発生。プーチン首相が国民の質問に答える年末のテレビ番組では、雇用や年金に関する質問が目立った。投資会社VTBキャピタルのイワン・イワンチェンコ部長(34)は「景気が失速すれば政権への支持も揺らぐ可能性がある」と指摘する。

 インド経済も「米国依存」が浮き彫りになってきた。

 マネーの逆流で株価が下落。それが消費、投資に影を落とす。海外の資金による道路などのインフラ整備も遅れが目立ちだした。政府は、数千億円の景気刺激策を立て続けに打ち出したが、財政余力は限られ、中国のように巨額を投じるのは難しそうだ。

 GDPに占める輸出の割合は約20%と、中国や東南アジアに比べて格段に低いが、それでも対米輸出が頼りの繊維業界では、すでに数十万人が失業。昨年度は30%も成長したIT業界は今年度、15%程度の伸びにとどまりそうだ。

 11月22日のニューデリー。シン首相や与党党首も出席した地元紙主催のセミナーで、英国のブレア前首相が訴えた。

 「貿易交渉も金融危機対策も、インドなくしては解決できない。ただ、権利と責任は一体であることを忘れないでほしい」。権利を主張するだけで、解決策は米国に聞いてくれというような態度はもう許されない、との苦言だった。

 危機の中で求められる国際協調に、新興大国がどう応じるのか。その答えは、危機後の世界をも左右しそうだ。(中川仁樹、高野弦)


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