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国際政治・世界事情

4125チバQ:2012/04/15(日) 00:23:17
 アラウィ派だけではない。シーア派大国イランやアサド政権を後ろ盾とし、そこからの支援を住民にばらまくことで勢力を伸ばしてきたレバノンのシーア派組織ヒズボラも、危機感は強い。ベイルート南部にあるシーア派地区のタクシー運転手、ホセイン・アブーハリールさん(27)は「アサドが倒れたらヒズボラからの生活支援が減るかもしれない」と懸念する。

 これに対し、レバノンのスンニ派政党「未来潮流」を率いるサアド・ハリリ前首相は反体制派支持を鮮明にしているほか、態度をあいまいにしてきた、イスラム教の少数派であるドルーズ派勢力も最近、反アサド色を強めているという。

 レバノンがシリア情勢に敏感に反応するのは、歴史的に常にシリアの干渉を受ける中で、各勢力がアサド政権と何らかの利害関係を持つためだ。

 政権を率いるミカティ首相は中立姿勢を保ってはいるが、各勢力がそれぞれ、アサド政権に協力したり反体制派を支援したりするのを止める力はない。2月には北部トリポリでアラウィ派とスンニ派の銃撃戦も起きた。

 ハシャーン教授は言う。「レバノンは地域の宗派問題の交差点。ここでの対立はいずれ、再び周辺に拡散していく」。シリア情勢の悪化はレバノンに緊張をもたらし、その結果、同国の各政治勢力がシリア問題への関与を強めれば、シリア情勢をいっそう複雑化させかねない、というわけだ。

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 シリアの首都ダマスカスで今年2月、自由シリア軍を支援しているという反体制派の地下活動家と会った。治安当局の監視の目をかいくぐるため、事前に偽名のメールアドレスで連絡を取り、合言葉まで指示した上でようやく取材場所に現れたその男は、極度の緊張状態にあった。

 「まだまだ政権は強力だ。目立つ行動はしたくない」。活動家は、周囲に目を配りながらこう話し、「このまま事態が長引けば宗派戦争に発展するかもしれない。だから、その前に政権を倒さなくてはいけないんだ」と力を込めた。

 一方、穏健イスラム勢力や左派が参加する国内反体制派組織「国民調整機構」の指導者ハサン・アブドルアジーム氏は、同じ理由から「政治決着によるアサド大統領退陣を模索すべきだ」と主張する。反体制派内の意見は割れたままだ。

 宗派対立は、国際テロ組織アルカーイダなどの過激なジハード(聖戦)主義が根を生やす土壌ともなりうる。実態は不明ながら、自由シリア軍指導部の統率が行き届かないシリア国内の部隊には、リビアやイラクなどからの過激派が入り込んでいるとの指摘もある。

 早くから、地域の不安定要因になるとの懸念が強かったシリア騒乱。停戦期限後も一部で戦闘は続いている。

 ■ ■シリアとレバノンの宗教・宗派 シリアでは人口2300万人の約70%がイスラム教スンニ派で、シリア正教会などキリスト教が約13%、アラウィ派が約12%とされる。アラウィ派はイスラム世界で異端視されることが多いが、ハフェズ・アサド前大統領は1970年代、「同派はシーア派の一派」だとするファトワ(宗教裁定)をシーア派指導者から引き出し、自らの正統性を高めるとともにレバノンのシーア派との関係強化に利用した。

 一方、レバノンは人口約425万人。フランス統治時代の人口統計をもとに、大統領をマロン派キリスト教徒、首相をイスラム教スンニ派、国会議長を同シーア派に割り振る「宗派主義」を採用、国会の議席数も宗派によって決められている(90年の憲法改正で一部修正)。イスラム教徒の方がキリスト教徒よりも出生率が高いことから、近年では人口分布が大きく変化しており、現実を反映していないとの指摘も強い。


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