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国際政治・世界事情
399
:
千葉9区
:2008/11/30(日) 20:15:38
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081122-OYT1T00606.htm
仏社会党新党首にオブリ氏…「女の戦い」42票差で制す
【パリ=林路郎】フランスの最大野党・社会党のフランソワ・オランド第1書記(党首に相当)の後継者を決める党員決選投票の開票が22日行われ、左派や党長老の支持を受けたマルティヌ・オブリ元雇用相(58)が、セゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(55)を大接戦の末に破った。
投票総数約13万に対し、両氏の得票差はわずか42票(得票率差は0・03%)。党を二分した今回の選挙は、路線をめぐる深刻な内部対立を浮き彫りにしたうえ、今後の党内運営にもしこりを残す結果となった。
ロワイヤル氏は22日未明、開票過程が不透明だったなどとして、投票のやり直しを求めたが、党指導部は応じる構えを見せていない。オランド第1書記は緊急の党員大会開催を呼びかけた。
昨年の大統領選で苦杯をなめたロワイヤル氏は選挙戦で、政策の刷新や党指導部の思い切った世代交代を一貫して主張。一方、オブリ氏は「ロワイヤル氏は党を自分の選挙の道具に変えようとしている」と批判し、左派路線の堅持を訴えた。
ロワイヤル氏は6日の予備投票で首位につけるなど、選挙を有利に展開していたが、予備選後に撤退したベルトラン・ドラノエ・パリ市長や、ロワイヤル氏の元パートナーであるオランド第1書記ら党長老が軒並みオブリ氏支持に回り、「ロワイヤル包囲網」が敷かれたことで形勢が逆転した。
オブリ氏は、ミッテラン政権下で蔵相を務めたジャック・ドロール元欧州委員会委員長の娘。パリ政治学院を卒業後に入党し、クレッソン内閣で労相に抜擢(ばってき)された。1997年には、シラク前大統領との保革共存となったジョスパン内閣で雇用相として入閣し、「オブリ法」と呼ばれる週35時間労働制の導入を主導。2001年からリール市長を務めてきた。
だが、その週35時間労働制は、経済の活性化を唱えるサルコジ大統領が事実上骨抜きにしており、オブリ氏の左派寄り姿勢が国民多数の時代感覚に沿うかどうかは未知数。党内には、「この得票差では新党首の政治的正当性に重大な問題がつきまとう」との危機感が強まっている。
一方、最大野党の内部対立がサルコジ大統領の政局運営への追い風になるのは確実。最近の世論調査では、大統領の支持率は金融危機への迅速な対応が好感され、50%近くにまで回復した。
ロワイヤル氏は今後も、12年選挙への出馬を目指し、オブリ指導部を揺さぶる可能性が大きい。大統領選3連敗中の社会党が、一致団結してサルコジ政権を脅かすに至るまでの道のりは険しそうだ。
(2008年11月22日22時17分 読売新聞)
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