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国際政治・世界事情
3931
:
チバQ
:2012/03/05(月) 21:44:32
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120304/erp12030421050007-n1.htm
「救国者」か「体制の虜」か プーチン氏返り咲きへ
2012.3.4 21:02 (1/2ページ)[ロシア]
4日、モスクワの投票所で、報道陣の質問に答えるロシアのプーチン首相(ロイター)
【モスクワ=遠藤良介】4日投票のロシア大統領選で2000〜08年に大統領を務めた最高実力者、プーチン首相が返り咲き、すでに12年を超えた「プーチン時代」が続く見通しだ。プーチン氏は今回の選挙でもソ連崩壊後の混乱を収拾した「救国者」像を前面に打ち出し、安定した発展を望む国民多数派の支持を得ている。だが、プーチン流の強権体制には大都市部を中心に倦怠(けんたい)感が強まっており、次期政権の行方には不透明感も漂う。
プーチン氏は旧ソ連国家保安委員会(KGB)のスパイ出身。ソ連崩壊後は故郷サンクトペテルブルクの副市長を経てクレムリン(大統領府)入りし、1999年末にエリツィン元大統領の後継指名を受けた。
プーチン前大統領期のロシアが曲がりなりにも安定を取り戻し、大国復活の軌道に乗ったのは確かだ。
90年代には、ソ連崩壊とその後の急進改革による失政で国内総生産(GDP)がソ連末期の半分近くまで急落。98年には対外債務の支払い猶予まで宣言し、多くの庶民が、年26倍にも達したハイパー・インフレや通貨切り下げで、貯金が紙くずと化す悪夢を見た。
これに対し、前大統領期には石油価格が90年代の10倍に跳ね上がった追い風を受けてGDPが1.6倍に膨らんだ。南部チェチェン共和国の独立紛争は平定され、プーチン氏が打ち出した対外強硬路線も国民の自尊心をくすぐった。
プーチン氏はこの間、安定を望む国民心理を逆手にとり、議会や司法、報道など民主主義の根幹を骨抜きにして強権体制を構築。統治の根底には、「強い国家」を再興するために手段を選ばぬKGB仕込みの「国家至上主義」があった。
政権内ではKGB出身者などシロビキ(武闘派)が台頭。主要経済分野の国家統制も進められ、今やプーチン氏の側近集団がGDPの10〜15%にあたる資産を掌握しているとの推計もある。
しかし、モスクワでは昨年12月の下院選後、選挙不正疑惑を機に大規模な反政権デモが起きるなど、真っ当な政治参加や経済活動の自由拡大を求めて、大都市部に伸長する中産階層が声を上げ始めている。プーチン時代に反旗を翻す機運はいまだ地方では低調であるものの、プーチン氏の支持基盤が弱体化しつつあるのは間違いない。
プーチン氏が真の「救国者」として、国民の不満を解消するための改革に舵を切れるか、それとも自らが築いた体制の「虜(とりこ)」であり続けるかが、次期政権で問われることになる。
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