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国際政治・世界事情
3870
:
チバQ
:2012/02/20(月) 12:55:40
http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2012/02/20/20120220ddm007030073000c.html
ドイツ:不当利得容疑で地検、前大統領捜査へ 不逮捕特権消え
【ベルリン篠田航一】ドイツ北部ニーダーザクセン州のハノーバー地検は18日、州首相時代の汚職疑惑の責任を取って辞任したウルフ前大統領(52)に対し、不当利得などの容疑で捜査を開始すると発表した。大統領在職中の不逮捕特権が辞任によって消滅したため、一般の刑事事件と同じ扱いとなった。地検は戦後ドイツ史上初の「大統領経験者の刑事訴追」に向け、本格捜査に乗り出す模様だ。
ウルフ氏は一貫して辞任を拒否していたが、地検が16日に不逮捕特権の停止を連邦議会(下院)に要請すると、翌17日には即座に辞任を発表。捜査が国家元首を辞任に追い込んだ形となり、同地検のアイムターボイマー主席検事(41)は独紙に「捜査開始がどんな状況を引き起こすか分かっていた。重大な決断だった」と語った。
ウルフ氏の一連の疑惑は昨年12月、大衆紙ビルトの報道で発覚。当初は州首相時代に実業家から自宅購入資金の融資を受けた癒着疑惑が報じられたが、個人間の貸し付けのため違法性に乏しく、地検も捜査に消極的だった。その後、ウルフ氏が州首相時代の07年に映画会社社長から高級ホテル宿泊費の無料提供を受けた疑惑が発覚。その1年前には州政府がこの会社の借入金を保証していたことが判明し、宿泊費肩代わりはその見返りだった疑いが浮上した。地検は刑法で禁じられた「地位を利用した不当利得」に当たると判断した。
新大統領は、連邦議会と州の代表で構成する「連邦大会議」により、3月18日までに選出される。連邦大会議では与野党の議席が伯仲しているため、メルケル首相は近く野党とも協議し、与野党が対立せず合意できる候補選定を目指す。後任には、2年前の大統領選でウルフ氏に敗れた旧東独出身の反体制派牧師、ガウク氏(72)らの名前が挙がっている。
毎日新聞 2012年2月20日 東京朝刊
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