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国際政治・世界事情

3849チバQ:2012/02/16(木) 12:08:18
http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2012/02/16/20120216ddm007030154000c.html
ハンガリー:強権化 言論規制、高まる懸念
 欧州連合(EU)加盟国のハンガリーで、中道右派オルバン政権の強権化が急速に進んでいる。表面的には市民生活に大きな変化はみられないが、事実上のメディア規制などで政府に批判的な言動が抑制される恐れが強まり、民主主義の後退を懸念する声は確実に高まっている。【ブダペストで樋口直樹】

 ◇ラジオ局の危機
 首都北部の民放ラジオ局「クラブ・ラジオ」は、ブダペストでの放送停止の瀬戸際に立たされていた。10年以上割り当てられてきた周波数の使用期限切れに伴い昨年、入札に参加したが、新たに導入された審査基準により落札に失敗したという。

 「メディア当局は、より多くの時間を音楽番組に割り当てる業者に有利な入札制度を使い、政府に批判的な言論を封じようとしている」。「ハンガリーで唯一の独立系討論型ニュース局」を自任するビチェック編集長はこう憤る。

 国家メディア情報通信局によると、商業用周波数入札は「入札額」「番組内容」「メディア経験」の各項目で審査され、最多得点者が落札する。放送時間の60%以上を音楽、25%以上を地元ニュースに充てることで最多点を得られるのが特徴だ。

 聴取者との討論番組を売り物にしていたクラブ・ラジオは音楽の割合を20%から40%に引き上げたが、「これ以上は妥協できなかった」(ビチェック氏)。「政府補助金などを止められた」ため、入札額でも水をあけられた。メディア経験やニュースの質は評価されたが、小差で落札を逃した。今は法廷闘争に希望をつなぐ。

 オルバン政権の強権体質は、司法・金融・データ保護当局への人事介入などを可能にする数々の新法からも浮かび上がる。憲法裁判所の権限縮小などを含む新憲法の制定も含め、国会議席の3分の2を占める与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が「数の論理」で強行した。

 最新の世論調査では国民の84%が「ハンガリーは誤った方向へ進んでいる」と回答した。民主主義の弱体化やEUとの衝突による経済的損失を懸念したものだが、一方でEUに抵抗する動きも出ている。

 ブダペストでは先月、10万人以上が参加して政府支持デモが行われた。参加者は、債務危機にひんした自国に対し、金融支援と引き換えに「問題法令」の撤回を迫るEUに不快感を隠さなかった。「西側(EU主要国)からの圧力が強まるほど、抵抗を示す声も強まる」(現地観測筋)との見方も出ている。

 ◇オルバン首相「総選挙に大勝、自信過剰に」−−識者分析
 強権的な政治手法をとるオルバン首相(48)について、ブダペストにある中央ヨーロッパ大学のゲル教授(歴史学)は「極めて自信過剰で権力志向が強く、『ハンガリー民族の利益』を代弁し、強い国家をつくりたいと考えている」と分析する。

 権力志向の強さは、政府から独立が求められる司法、中央銀行、データ保護当局の人事に介入し、政権側の意をくむ人物を送り込もうとする姿勢に表れている。

 また、隣国のハンガリー系住民に「二重国籍」を与える政策は、周辺国に内政干渉の懸念を抱かせる。EU加盟国でありながら大国への対抗心を隠さない。

 さらに、外資中心の銀行や業界に特別税を導入。通貨フォリントの下落で外貨建て住宅ローンの利用者が返済に行き詰まると、下落前のレートで返済できる救済策を打ち出し、損失は銀行負担とした。

 EUがハンガリーに対する態度を硬化させた理由の一つは、こうした「異例の経済政策」(信用格付け会社)にあった。

 非政府組織ハンガリー欧州協会のヘゲデュス会長は、オルバン政権が10年4月の総選挙で大勝したことで、「政治のルールを変えることができると思い込んでしまった」と指摘する。ゲル、ヘゲデュス両氏とも「オルバン氏は(EUの反発で自分の路線に)限界を察知すれば現実的な対応をとるだろう」と分析するが、時期と妥協の度合いは不透明だ。

毎日新聞 2012年2月16日 東京朝刊


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