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国際政治・世界事情

3800名無しさん:2012/02/06(月) 12:06:09
◇対立の裏にイラン
 シリア中部ホムスで大量の犠牲者が出たことは安保理決議採決直前ということから、シリア政府にとって最悪のタイミングだった。国営メディアは「反シリアの外国勢力とメディアによるでっちあげ」などと主張した。

 その意味でも安保理決議案否決にアサド政権が一息ついたのは確かだ。シリアの国営通信もニュースを速報。中露の国連大使の「バランスの悪い決議案」「各国の主権尊重が必要」といった発言のみを引用し、米欧のアサド政権非難発言は無視した。

 シリアのジャファリ国連大使はこの日、アサド大統領が主張している自主的な政治改革路線の維持を訴えた。国際社会が内政に干渉することをけん制した発言だが、このままシリア軍が弾圧を継続するのも容易ではない。これ以上の弾圧を続ければ、国際社会の批判は、拒否権を行使した中露にも向かうことになるためだ。両国はそれぞれのルートを使ってシリアに圧力をかける可能性がある。

 さっそくロシアのラブロフ外相は7日にダマスカスを訪問、アサド大統領と会談する予定だ。この際、シリア政府は反体制派との対話路線を示す必要に迫られるが、アサド大統領は1月の演説で離反兵士団体や武装住民を「武装テロ集団」と見なし、「鉄拳で打つ」とも明言している。平和的反体制派には対話姿勢を見せながら、武装反体制派への弾圧は維持すると見られる。

 一方、欧米諸国とペルシャ湾岸諸国による一連のシリアへの圧力強化の裏に、シリアが歴史的に友好関係を維持するイランの問題が横たわっている。今回の安保理決議案を主導したのが、イランの核兵器開発疑惑に強い懸念を抱く米英仏独とサウジアラビア、カタールだったのもそのためで、シリアを封じ込めることでイラン・シリアの共闘態勢を弱体化させる狙いが見え隠れすることが対立の構図を複雑にしている。

 欧米諸国はシリアに強い圧力をかける一方、ペルシャ湾岸バーレーンで政府軍がサウジやカタールなどの軍支援を受け民主化運動を弾圧した際、ほとんど何の対応もしなかった。欧米諸国は、イランと友好関係にあるシリアの住民弾圧は許さないが、イランの脅威にさらされるバーレーンの弾圧には目をつぶっている。

 安保理で対シリアの決議案を主導したサウジ、カタールにとって否決は痛手だ。しかし、両国ともイランの核開発計画を国家安全保障上の重大な脅威と捉えており今後も、アサド政権の退陣を実現させてイランのアラブ圏への影響力を弱める方策を進めると見られる。

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 ◆シリア情勢を巡る最近の動き◆

2011年

 3月25日 反政府デモ全土に拡大

 4月19日 アサド政権が非常事態法の48年ぶりの解除決定

   29日 米国が対シリア経済制裁発動

 8月 3日 国連安保理が武力弾圧非難の議長声明

10月 4日 国連安保理で武力弾圧を非難する決議案否決

11月12日 アラブ連盟がシリアの一時資格停止処分決定

12月12日 アサド政権による弾圧の死者が5000人超と国連が報告

   19日 シリアがアラブ連盟による反体制派との調停案署名を発表

   26日 アラブ連盟の和平監視団がシリア入り

2012年

 1月22日 アラブ連盟がアサド大統領の退陣を含む行程表に合意

 2月 4日 国連安保理で武力弾圧停止要求決議案否決

毎日新聞 2012年2月6日 東京朝刊


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