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国際政治・世界事情
3770
:
チバQ
:2012/01/30(月) 21:41:37
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120130-00000510-san-int
緊迫するシリア情勢…米紙「友人」気取るロシア批判
産経新聞 1月30日(月)10時21分配信
拡大写真
ウォールストリート・ジャーナル(米国)(写真:産経新聞)
反体制デモへの弾圧を続けるシリアのアサド大統領に対し、アラブ連盟が「退陣」を勧告する決議を採択した。決議がシリアの政権交代に道を開くものになるかどうかについて見方は分かれているが、本格協議の場はすでに同連盟の要請を受けた国連安全保障理事会に移った。米欧はシリアと緊密な関係を維持してきた常任理事国のロシアにも非難を向けており、ロシアの動向が注目されている。
■「追い詰められたアサド大統領」/アッシャルクルアウサト(汎アラブ紙)
汎アラブ紙アッシャルクルアウサトのターリク・ホマイエド編集長は24日付の解説記事で、シリアのバッシャール・アサド大統領は、アラブ連盟から「退陣勧告」決議を突きつけられたことで「瀬戸際に追い詰められた」と論じた。
記事はまず、同決議が、シリアとの関係が深い隣国レバノンなどを除き、ほぼすべての加盟国から支持された点に注目し、「アサド大統領はいまや孤立している」と強調。これに対してシリア反体制派は最近、アサド政権への強硬姿勢を強めるサウジアラビアの有力王族と会談を持つなど、「(正統な機関として)アラブ諸国からの承認を得つつある」と指摘する。
反体制派は今年に入り、シリア問題の安保理への提起を主張し始めていたが、記事は、今回のアラブ連盟の決議により「(同問題が)国際問題化するのは不可避となった」と指摘、事態は反体制派の狙い通りに展開しているとみる。
同編集長は、22日付の記事でもシリア問題を取り上げている。
それによると、アサド政権から離反した兵士らで作る反体制派武装組織「自由シリア軍」は最近、西部ホムスやザバダニで政府軍への攻勢を強化しており、これらの都市が完全に解放されれば、昨年のリビア内戦で反カダフィ派部隊の拠点となった同国北東部ベンガジと同様の役割を果たす可能性があるという。
また、こうした中で政権側は兵士のさらなる離反を警戒し、軍に支給する武器・弾薬の量を減らしている、とも指摘。「(アサド大統領にとって)唯一信頼できる部隊は、弟マーヘル氏が指揮する共和国防衛隊第4師団だけ」であり、政権が行き詰まるのは時間の問題だとの見方を示している。(カイロ 大内清)
■妥協の産物は希望の光/フィナンシャル・タイムズ・アジア版(英国)
「アラブ連盟の監視団がシリアに危機への解決策を求めることを期待するのはこれまで非現実的だった」。英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は24日付社説の冒頭で同連盟を辛辣(しんらつ)にこき下ろした。「指導力には疑問があり、動機も不明瞭だった」からだという。
しかし今回、アサド大統領に「秩序ある」退陣を突き付け、安保理への提起を決めたことは「より好ましい」と一定の評価を与えた。
同胞を殺戮(さつりく)しようとする独裁者が和平案を受け入れる期待からではない。監視団が何とかしてくれるという最後の希望をアサド氏から引きはがし、シリアと関係を維持してきた国々に彼らが持つ責任に向き合わせたからだというのだ。
今回の決議は、危機を認識する連盟加盟国とアルジェリアなど現状維持を望む国の「不安定な妥協点」にすぎないという。ただ、連盟が安保理の線からそれなければ、圧力を与えることは可能だと指摘する。
社説は、リビアのように安保理決議が軍事介入をもたらすという「幻想を抱くべきでない」ともクギを刺す。しかし同連盟の制裁は、兵士らの離反などで政権運営に陰りをもたらし「ロシアが安保理の関与を妨げようとすることを、より困難にしている」と評価する。
そのうえで、「キリスト教徒やドルーズ派といったイスラム教少数派の政治参画を保障するなど、すべきことがある」とシリア国内の反アサド派に結束を促した。宗派間の緊張を巧みに操り「唯一寛大な保証人」を演じることで権力を保持してきたのがアサド氏だったからだ。こうしたアサド氏の「はったり」を指弾することが「圧力を強め、シリアの未来へかすかな希望の光を与える」と同紙は結んでいる。(桜井紀雄)
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