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国際政治・世界事情

3470チバQ:2011/11/28(月) 12:41:31
◇広がるDNA鑑定の動き

クラウディア・ポブレテさん 赤ん坊を取り戻す活動の中心は、行方不明者の家族が設立した人権団体「5月広場の祖母たち」だ。97年からキャンペーン「自分が誰だか知っていますか?」を始め、30代前半の若者に「出自に疑いを持っているなら連絡を」と呼びかけてきた。

 政府もこうした要求を受け、92年にアイデンティティー権利委員会を設立した。検察官が身元調査に協力し、希望者は無料でDNA鑑定を受けることができる。また、97年に養子縁組法を改正し、養子に本当の親の情報を開示することを義務づけた。

 今年10月までに「奪われた赤ん坊」の105人が本来のアイデンティティーを取り戻した。だが、出自判明で問題が解決するわけではない。養父母に対して訴訟を起こす者がいたり、逆に「本当の家族」との対面を拒否する者もいる。

 陸軍中佐の一人娘メルセデスとして育ったクラウディア・ポブレテさん(33)は21歳の時、左翼ゲリラだった実父、それに実母が軍に拉致されていたことを知る。

 軍の幹部だった養父は未成年者の出自を隠して所持した(家族に留め置いた)罪などで有罪判決を受けた。それでも可愛がってくれた養父母を捨てきれず、5年間同居した。

 だが結婚して家を離れ、3年前に娘が生まれ、育てる中で養父母への感情は変化した。

 「子供にうそをつかれるのが最もつらい。私も娘にうそはつかない。養父母は私が奪われた赤ん坊と知っていた。いくら愛情があっても、毎日子供にうそをついて育てることの罪の大きさを感じないわけにはいかない。ゆがんだ愛だった」

 クラウディアさんはそう話し、80歳代になった養父母に娘を抱かせたことはないと打ち明ける。

 自身は出自を知って以来の10年間、心理カウンセリングに通った。「メルセデスとして生きた21年間も私の一部分だと、やっと納得できるようになった」と語る。

 政府が軍政下の人権侵害について調査を始めたのは83年の民政復帰後だ。だが歴代政権は一般軍人の責任追及に及び腰だった。軍のクーデターを恐れたからだ。左派のキルチネル政権が05年にやっと拉致事件の訴追を本格化させ、今年10月までに、収容所での拷問や殺害に関与した軍人約250人が殺人罪などで有罪判決を受けた。

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 ■ことば

 ◇軍政下の左翼狩り
 アルゼンチン、チリ、ブラジルなど南米6カ国の右派軍部は75年、連携してマルクス主義者を掃滅することに合意し、拉致や暗殺を含む「コンドル作戦」に着手した。アルゼンチン軍政は76年に左翼狩りを始め、確認されただけで1万1000人、推計3万人が拉致された。多くは収容所で拷問された後、睡眠剤を注射され、軍用機から河川や海に投げ込まれ、葬られた。

毎日新聞 2011年11月28日 東京朝刊


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