したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際政治・世界事情

3304チバQ:2011/11/01(火) 12:27:10
http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2011/11/01/20111101ddm007030149000c.html
イエメン:イエメンの「春」権力闘争に変質(その2止) 国分裂、家族も分断
 <1面からつづく>

 ◇銃声響く日常 政府軍精鋭部隊兵士「兄、同胞と戦いたくない」
 見渡す限り、人だ。10月27日、サヌア中心部のラバト通り。反大統領派の抗議デモに同行した。気温は35度以上。標高2200メートルの高地には、刺すような日差しの下、数万人の大群衆が興奮している。胸に国旗を描いたハニさん(36)は「サレハ(大統領)が去るまで続ける」と意気込んだ。

 「自由を! アラー(神)を!」。参加者が掲げるのは、大統領派との衝突で犠牲になった仲間の写真。キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの顔写真もある。若者の手のひらには、「(大統領よ)去れ」の文字。ホイッスルが響き、前進が始まる。小走りだ。最前列の男性が叫んだ。「列を乱すな」

 西進して主要環状線「60メートル通り」に出るとトラックがあった。荷台には、重機関銃と兵士数人。サレハ大統領から離反したアリ・モフセン将軍配下の第1機甲師団員で、大統領派の攻撃に備え配備されているのだ。

 意気揚々と進むデモ隊の裏で、沿道の人々の顔にはいら立ちもにじむ。1月下旬からの民主化騒乱では「1500人超」(ジャナディ副情報相)が死亡。市内各所に検問所が置かれ、北部ハサバ地区では反大統領派の実業家、ハミド・アフマル氏系の武装部族と大統領派の交戦が続く。

 市内には買い物客でにぎわう通りもあるが、あちこちで時折響く銃声が市民に、この街の現実を呼び起こさせる。アブドラ通産相によると、経済活動は昨年の3割弱、インフレ率18%、失業率38%。首都ですら通電は1日約3時間。サヌア大学前の「変革広場」周辺には反大統領派が座り込みを続け、歯科機器を売るガマルさん(21)は「怖がって客が来ない」とうんざり顔だ。

 若者指導者のアデル・アラベアイさんは「組織に属していない若者は今や5%程度」と見る。反大統領派住民は、ハミド氏から資金提供を受けているという話もある。その点について仮設小屋に男性8人で泊まり込む南部タイズ出身の教師、ムタハ・アブドルさん(43)に聞くと、隣の男性と顔を見合わせた後、「分からない」と答えた。

 広場には人混みを当て込んだ出店も多いが、近くのカフェ店員(25)は「飲み物を半分だけ注文する人もいる。金がない地方出身者が多いんだ」と言う。イエメンの1人当たり年間国民総所得は1060ドル(約8万2500円)。アラブで最も貧しい国だ。


大統領退陣を求めるデモ隊が占拠するサヌア中心部で、警備にあたる反大統領派の兵士ら=10月26日 平和的な抗議活動を強調する反大統領派だが、「武器を持った参加者がいる」(国軍のアブドラ・カボウディ准将)との批判もある。10月2日にデモ隊を護衛していて重傷を負ったムハンマド・アスラミさん(25)は、「機関銃を携行した。大統領派が発砲したが、第1機甲師団の指示で反撃しなかった」と証言する。

 サレハ大統領とその支持者が、かつては大統領に近かったハミド氏、モフセン将軍らと権力闘争を繰り広げるイエメン。その対立は家族の絆すら危うくしている。シャムサン・ムルシットさん(25)と弟のバンダルさん(21)もそんな「分断家族」だ。

 バンダルさんは民主化騒乱開始直後に政府軍の精鋭・共和国防衛隊に入隊した。一方、シャムサンさんは5月にモフセン将軍配下の部隊に加わった。月3万イエメン・リヤル(約1万円)の給料が魅力だった。今は2人とも訓練中だが、対立が長引けばいずれ、「戦場」で戦う可能性もある。シャムサンさんは「指導者は自分の利益で行動せずに国民の統一を目指してほしい」と訴え、バンダルさんは、「兄とはもちろん、同胞とは戦いたくない」とつらい胸の内を明かす。

 変革広場から2キロも離れれば一見平和な日常風景が広がる。世界遺産にも登録される旧市街には衣料や靴、食品などを売る小店が軒を並べ、老若男女でごった返す。しかし、外国人観光客の姿はない。カフェで一服中に会った高校生のアッバス・アリ君(21)にデモに行かないのか、と聞くと、こんな答えが返って来た。「指導者が誰であってもこの国に未来はない。外国に移住したい」

 今回の騒乱前から、イエメンは▽幹部アウラキ師が9月の米空爆で殺害され報復攻撃が懸念される「アラビア半島のアルカイダ」▽北部でくすぶるイスラム教シーア派の一派ザイド派の反乱▽南部で続く分離独立運動−−の「三重苦」に悩んでいた。そこに今回、大統領派と反大統領派の分裂が加わった。地元経済専門家のムラド・ザファル氏は警告した。「この武装闘争が拡大すれば、イエメンは分解しかねない」【サヌアで和田浩明】

==============


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板