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国際政治・世界事情
3138
:
チバQ
:2011/10/04(火) 00:00:56
メドベージェフ大統領については「少なくとも言葉の上では政治や経済の近代化を唱えた」と評価し、プーチン氏の大統領復帰はロシアにとって「後退であり、危険な一歩だ」と警鐘を鳴らす。改善途上にあった米、ドイツとの関係にも複雑な影を落としそうだ。
プーチン氏はソ連国家保安委員会(KGB)出身だ。社説は「本能的に用心深く、保守的」と断じ「近代的な改革にはほとんど関心がない」と分析。プーチン氏は大統領1期目、ソ連崩壊後の壊滅的移行期を安定させることを約束したが、国家統制を強め、発展の芽を摘んでしまった。
それゆえロシアが5%成長を回復したいのなら、経済の国家統制や腐敗を取り除き、競争原理の強化、政治の民主化に取り組まなければならないと提言した。
一方、投票年齢に達した世代は共産主義崩壊時にはまだ生まれていなかった。若者は露大統領府(クレムリン)が支配するテレビではなく、インターネットを通じてニュースを入手する。社説は「プーチン氏がこうした変化を無視すれば、いずれ中東の独裁者と同じようにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や街頭デモの力に気づかされるだろう」と警告している。(ロンドン 木村正人)
◇
▼独立新聞(ロシア)
民主主義発展のための選択?
「プーチン時代」の超長期化が予想されるにもかかわらず、今回の動きを鋭く批判したロシアの中央紙は皆無に近い。
9月26日付の「独立新聞」が掲載した政治評論家の寄稿「戦略2036」は、プーチン氏率いる巨大与党「統一ロシア」を基盤にし、「プーチン、メドベージェフ両氏が(2期12年間ずつ)2036年まで国の効率的な発展を保証できる」と大まじめに記した。
プーチン氏は大統領選出馬と引き換えに、12月の下院選でメドベージェフ大統領が「統一ロシア」の比例代表名簿1位に登載されることを提案、メドベージェフ氏を次期政権の首相に指名した。寄稿はこれが「党に立脚した政権への移行」で政権の社会に対する責任感が増すと評価する。
民主主義国なら密約による「権力のたらい回し」と非難される両者の役職交代も、この評論家の手にかかると「権力制度と民主主義機構を発展させるための選択」とされるのだ。
ちなみに、ロシアでは比例代表名簿に登載されて当選しても議員になる必要はなく、名簿上位には有権者の関心を引くためだけに有名人を据えるのが慣例だ。ロシアが議院内閣制になるといった話ではない。
この日の独立新聞は、「(新制)ロシアですでに3度、最高権力のバトンタッチが平和に行われたのはすばらしい」といった識者談話を多数掲載した。
一方、プーチン政権批判で知られ、06年に射殺された女性記者、ポリトコフスカヤさんが所属していたリベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」は同日の1面で、プーチン氏が2期務めれば最後の年となる24年時点で予想される指導部の似顔絵を掲載。独裁政権を倒した中東の民主化運動「アラブの春」をロシアは自ら用意しているとする談話も紹介した。(モスクワ 遠藤良介)
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