したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

国際政治・世界事情

2861チバQ:2011/07/28(木) 23:04:46
 2010年春、ギリシャは国際支援を求めた。パパンドレウ政権は年金支給額と公務員給与を削減し、増税を実施した。労働組合はストライキを行い、無政府主義者は火炎瓶を投げた。

 このとき野党党首になっていたサマラス氏は、歳出削減は支持したものの、増税は経済に打撃を与えるとして減税を要求した。さらに同氏は、トルコ支配下の時代から続く政権不信も相まって脱税が浸透しているギリシャ社会では、増税は逆効果だと主張した。同氏は、企業に一律15%を課税する案を提唱し、そうすれば「人々の考えが変わるはずだ。脱税はやはり名誉なことではないからだ」と論じる。

 現政権の戦略が壁に突き当たった今春、サマラス氏のシンプルな主張が、ギリシャの海外債権者にとって悩みの種となり始めた。緊縮策により不況は悪化し、赤字削減も十分に進んでいなかった。

 EUはギリシャにさらなる予算削減を要請。EUとIMFの支援に頼り切りのパパンドレウ氏はこれに合意した。街頭の抗議活動は過激化し、同氏の政党PASOKは内乱寸前の状態に陥った。

 サマラス氏本人、および両氏に近い複数のアドバイザーによると、パパンドレウ首相は6月15日午後、サマラス氏に電話をし、連立政権の樹立を持ちかけた。首相は閣僚に事前に相談せず、新古典派的な趣のある優雅なオフィスから一人で電話をかけたという。

 サマラス氏は親友に首相退陣を要求した。「君を傷つけたくはないが、こんな政権の首相でいるべきではない」と語りかけ、首相はすでに市場と国民の信頼を失っていると告げた。

 「私が問題だと君が本当に思うのなら辞めてもいい」と、パパンドレウ氏は答えた。そして、後継者がギリシャの改革政策を実行できるのであれば「政権にしがみつくつもりはない」と言った。

 サマラス氏は考える時間をくれと頼み、その後パパンドレウ氏に改めて電話をした。二人は無党派の首相を指名し、その首相が予算削減を進める一方で、より緩やかな救済条件を求めてEUおよびIMFと交渉するという案で合意した。さらにその後、選挙を実施することで合意に至った。

 パパンドレウ氏は、自党メンバーに相談する時間が欲しいと言った。

 ところがPASOKは大混乱に陥っていた。テレビ局が両氏のやり取りをニュースで伝え、情報源はサマラス氏の党内の幹部であると報じたのだ。

 金融相場は動揺し、国民は、政府に対する信頼を失った。恐れをなした首相のアドバイザーらは、計画を破棄するよう首相に求めた。

 パパンドレウ氏は、親友か、あるいは彼に近い何者かが電話の内容をリークし、首相を弱く見せることで党利を得ようとしたのだと考え、腹を立てた。その夜、同氏はサマラス氏に電話をし、計画をすべて撤回すると告げた。

 パパンドレウ氏は「リークは残念だ」と述べ、自党内で反発を受けたことを説明した。

 サマラス氏は「これほど国家の重大事にかかわる決定を、ゴシップを理由に摘み取ってしまうつもりか」と問い返した。

 サマラス氏は欧州の指導者たちから、緊縮策を支持し、減税を諦めるよう強く求められている。だが同氏はあくまで自説を曲げず、他の欧州の指導者は間違っていると主張する。さらに、パパンドレウ氏が危機の早期段階で自分を無視したと不満を漏らす。

 「彼は問題がさほど大きくならないうちにわれわれに相談するべきだった。今になって声をかけてきても」と、同氏は時宜を失した誘いだったと遺憾の意を表した。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板