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国際政治・世界事情

2818チバQ:2011/07/19(火) 12:48:06
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110718ddm002030084000c.html
世界を読む:独立の南スーダン(その2止) 資源争奪 中国独走、米再参入へ

南スーダンと周辺国の地図 <1面からつづく>

 「今のままでは北部がパイプラインを止めたら、南部はお手上げだ」。ケニア政府の開発担当責任者のムゴ・キバチ氏が強調する。

 南北スーダンは原油権益の分配をめぐり、対立してきた。内戦終結の包括和平合意(05年)でいったん折半すると決めたが、今回の分離で交渉を再開。互いに取り分を増やそうとしている。

 油田の4分の3は南部に集中するが、輸出港へのパイプラインは北部にしかない。北部は交渉を有利に運ぼうと、南部への供給制限を繰り返す。南スーダンはこれに対し、ケニアへの新パイプライン構想を掲げる。北部のパイプラインの存在価値を揺さぶる戦略だ。

 南北内戦を激化させたのは、宗教的対立だ。現在もイスラム教徒が多数派の北部は北側のエジプト(イスラム教主流)、キリスト教徒の多い南部は南側のケニア(キリスト教主流)との関係が深い。

 ケニア側は、独立後間もないため政府機能の脆弱(ぜいじゃく)な南スーダンを経済協力で引き寄せ、自らが主導する東アフリカ・キリスト教主流国のグループに組み込むことで、北側のイスラム教圏拡大を阻止したい思惑がある。

 だが、そこには中国が立ちはだかる。もともと原油を採掘したのは米国企業だが、80年代半ば、内戦の影響で従業員が殺害され撤退。さらに米政府が93年、旧スーダンを「テロ支援国家」に指定し、欧米の企業は相次いで撤退した。

 くしくも同じ93年、中国は急伸する国内消費を背景に、世界5位の産油国でありながら石油輸入国へと転じる。中国は欧米撤退後の空洞化を埋めるように、原油事業を拡大させた。

 9日、独立に沸く南スーダンの首都ジュバには、中国系企業の看板があふれていた。ホテルやレストランの職場で中国人とスーダン人の姿が入り交じる。独立式典で掲揚された新国旗も中国広東省で作られ運ばれてきた。

 人とカネを送り込み、インフラ整備を進める。「走出去」(外に打って出る)とも呼ばれる海外戦略で、中国はアフリカ大陸における進出と投資を加速させてきた。欧米主体の支援は条件や規制を厳しく求めるものが多いが、中国は「アフリカに必要な投資を持ってきてくれる」(カガメ・ルワンダ大統領)と歓迎する声も少なくない。

 米国政府は、そんな中国の動きを注視する。告発サイト・ウィキリークスは昨年12月、在ナイロビ米大使館が発信した公電を暴露した。「(ケニアにとって)中国は、南スーダンやウガンダとのパイプライン建設を含む地域開発のパートナーとなりうる」。親米国ケニアと交渉を進める中国への警戒感がにじむ。

 「米国の企業から、約5カ月で完成できるという石油精製技術の提案を受けている」。南部スーダン自治政府鉱山エネルギー省次官だったグベク氏が明かす。米国自身も最近、南スーダン側に原油事業参入の意向を示しているという。

 ◇国家繁栄、石油依存限界も
 南スーダンが仮に、原油の権益分配や新パイプラインの完成で大きな利益を得たとしても、未来への課題は少なくない。

 アフリカでは資源の発見が内戦や政治腐敗を招き、経済活動の多様性を失わせるケースが目立つ。「資源の呪い」とも呼ばれ、資源の豊かさが、皮肉にも国家の基盤をむしばんでいくのだ。

 例えばアフリカ第3位の原油埋蔵量を誇るアンゴラ。内戦を27年も長引かせた要因の一つは資源だった。政権側が石油、反政府側がダイヤモンドをそれぞれ資金源に武器を入手、紛争を拡大させた。

 ダイヤやコバルトが豊富なコンゴ民主共和国では、鉱山利権を押さえようと武装組織が割拠。周辺国も介入し、紛争は500万人以上もの犠牲者を出して今なお終結していない。

 アフリカ最大の石油生産国ナイジェリアは、かつてはヤシ油などの農産物輸出国として知られた。だが石油が見つかり輸出が進むと、農業は衰退。経済は石油依存を深めた。

 分離前のスーダンも農業国で、綿花やゴマなどを輸出してきた。国内総生産(GDP)に占める農業の割合は45%程度。パイプラインが完成した99年以降は石油産業に押され、最近では35%程度にまで落ち込んでいる。

 ライマン米スーダン担当特使は南北スーダンについて「大きな技術革新や新たな油田の発見がなければ、今後5年間で石油収入は着実に減少する。南北とも、石油依存の経済は続かないと理解すべきだ」と述べる。


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