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国際政治・世界事情

2605チバQ:2011/06/03(金) 23:26:01
http://www.newsweekjapan.jp/joyce/2011/05/post-42.php
イギリス人のイマ風「王室観」
2011年05月26日(木)22時11分
 人は飛行機に乗るとどういうわけか感情的にもろくなりやすい――僕の友人の「持論」だ。おそらくそれは、機内の薄暗さと閉じ込められた空間が、子宮の中にいた時の気持ちを思い起こさせるからかもしれない。あるいは、乗務員や管制官などの「大人たち」に身の安全を委ねるから、誰もが一時的に子供みたいな立場になるからかもしれない(たとえ飛行機で飛ぶのなんてちっとも怖くない、という場合でも)。

 僕は彼のこの理論をなるほどと思った。長時間のフライトで映画を見ると、不覚にも泣いてしまうことがあるからだ。いつもなら僕は、そうやすやすと映画で涙を流すタイプではない。なのに機中では『クジラの島の少女』(お子様映画だ!)でグッときてしまったのを覚えている。ニューヨークに到着する飛行機の中で、「パッヘルベルのカノン」を聴きながら目が潤んでしまったこともある。

 だが何より涙をこらえきれなかったのは、映画『英国王のスピーチ』でコリン・ファース演じるジョージ6世がマイクに向かって二言三言しゃべる場面を見た時だ。

 これは、英国王を主人公にしながらも彼をイマイチ称えていないという一風変わった映画。「バーティー」の愛称で呼ばれたジョージ6世は、怒りっぽくて口汚く、自分を気遣ってくれる人に対して失礼な態度をとる。ヘビースモーカーで、妙になまった話し方をする(吃音の障害はまた別の問題だ)。イラつくほど内気なのに、自分の立場を常に意識しているようなところがある。

 これらはどれも驚くような新事実ではない。ジョージ6世が次男なのに成り行きで王位に就くことになり、その地位が重荷になって長生きしなかったことはイギリス人にはよく知られた話だ。それでも、話を知っていることとそれを映画のスクリーンで目にするのとでは大きな違いがあった(さらに機内で見るとまた少し違う)。

■国民の関心を引く「人間味」

 王室に対する尊敬の念が強かったり、法的な問題があったりして、王族をこんな風に描くことなどかなわない国もある。個人的には、それは残念なことだしかえって王族に対する国民の関心を薄れさせてしまうのではないかと思う。

 僕はこれまで英王室に関する映画を何本か見てきた。『クィーン』は、ダイアナ元皇太子妃の事故死の直後に、エリザベス女王をはじめ王室が直面した劇的な数日間を見事に描き出していた。ジョージ3世が主役の『英国万歳!』はおかしくも悲しい作品だった。『ヴィクトリア女王 世紀の愛』を見たのは、偶然にも夫アルバート公に関する話を少し読んだ数日後のことだった。

 これらの作品はどれも英王室を持ち上げるものではない。映画の中のエリザベス女王は感情を表に出さないし、ジョージ3世は精神を病んでいる。ビクトリア女王は性欲旺盛に描かれている(あくまで夫婦生活において、だが)。

 彼らは国家や国民に対する義務感や生来の「善」の部分で、欠点を埋め合わせしている。もっとも、彼らの見せる「弱さ」こそが彼らに人間味を与えているし、人々の心を引き付けもしているのだ。

 王制は必ずしも合理的な制度とはいえない。それだけに、彼らの人間的な弱さこそが国民の共感を呼んでいるというのもうなずける話だ。とりわけ今のような時代では、人々は彼らの人間味あふれる部分にこそ感情移入しやすい。


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