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国際政治・世界事情

2290チバQ:2011/03/05(土) 13:53:43
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 01年にミロシェビッチ前大統領を逮捕したセルビアの元秘密警察長官ゴラン・ペトロビッチ氏は、ミロシェビッチ政権の腐敗についてこんなエピソードを打ち明ける。西側の記者がミロシェビッチ大統領に「ドイツの高級車メルセデス・ベンツを買おうと思うと何日ぐらいかかるか」と質問した。大統領は「私と妻、長男の収入を合わせて2年間ぐらいだろう」と答えた。記者が「そんなに時間がかかるわけがない」と聞き返すと、大統領は「車を製造している会社と勘違いしていた」と言ってのけた。

 紛争に伴う欧米の経済制裁で旧ユーゴ連邦ではハイパーインフレが進み、5千億デイナールという空前の高額紙幣が登場した。「国家全体が闇経済化し、酒やたばこの密輸などを通じてミロシェビッチ一家の不正蓄財が進んだ。ミロシェビッチ氏は秘密警察を使って反体制派を暗殺していた」とゴラン氏は語る。腐敗が紛争をさらに泥沼化させていた。

 ゴラン氏を長官に抜擢(ばってき)して、ミロシェビッチ氏を旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)に引き渡す作戦を強行したセルビアのジンジッチ首相は03年に暗殺された。ミロシェビッチ氏はICTYに引き渡されたが、06年3月に拘置所内で死去、公訴は取り下げられた。

 ゴラン氏は「忙しすぎて暗殺を恐れている暇もなかった。ミロシェビッチ氏を逮捕した私たちはセルビアの新たな歴史をつくった。それでこの国が良い方向に向かっているなら良いのですが」と控えめに話した。

 セルビア議会は昨年3月、ボスニア東部スレブレニツァのイスラム教徒虐殺に関する謝罪決議を採択した。セルビアは虐殺を否定してきたが、タディッチ大統領は過去と決別し、EU加盟を進めるために議会の決議を求めていた。

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 英語ニュースの通信社VIPニュース・サービスのブラティスラブ・グルバチッチ氏は「EUに加盟する目標では政治的合意はほぼできているが、EUに入るだけで仕事が増えて高額所得が実現できるという甘い幻想が独り歩きしている。経済政策など各論を詰める必要がある」と語る。

 08年にセルビアからの独立を宣言したコソボのサチ首相がコソボ紛争中にセルビア人捕虜の臓器売買に関与していたと告発する報告書が昨年12月に公表された。しかし、地元主要紙ポリティカのコラムニスト、ボスコ・ヤクシッチ氏が「コソボの話にはもう疲れた」とつぶやいたように、ベオグラードの街はこの話題に関心を示さなかった。(ベオグラード 木村正人)


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