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国際政治・世界事情

1813チバQ:2010/12/27(月) 22:42:58

http://www.yomiuri.co.jp/column/world/20101227-OYT8T00268.htm?from=navlc
投票率10%以下が示すエジプト人の諦め
カイロ支局 田尾茂樹

 「選挙は無効だ」。12月中旬。エジプトの首都カイロ中心部で野党支持者ら数百人が怒りの声を上げた。29年に及ぶムバラク長期政権を支える与党国民民主党が圧勝した人民議会(国会)選挙では、「不正が横行した」と言われていた。

 野党が獲得したのは選挙対象508議席のうち、わずか14議席。選挙前には系列無所属議員88人を抱え、事実上の最大野党だった非合法のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」に至っては今回、1議席も得られなかった。選挙管理委員会は「公正な選挙だった」と主張するが、取材では何度もあぜんとさせられた。

 投票日の11月28日と12月5日。ある投票所では「記者は入れない」と言われ、取材記者証を示して理由を尋ねても「だめだ」の一点張り。別の投票所では「今は昼飯だ」と拒否された。入場できても写真撮影は一切、認められなかった。しかも、係員がついて回り、「もういいだろう」とわずか数分で追い出された。

 中立団体の選挙監視はほとんど許可されず、野党候補者代理人は、投票に立ち会うことができなかったという。前回選挙までは投票所に配置された判事も、憲法改正でいなくなった。投票水増しなどの不正行為が相次いだとされるのも当然の結果と言える。ネットには投票所の係員が何枚もの投票用紙に記入し、投票箱に入れる映像が出回った。

 「結果は分かっている。投票しても無駄」。取材で聞いたエジプト人のこんなぼやきの理由を実感した。選管は投票率を35%と発表したが、10%以下との指摘もある。事実、周りで投票した知人は皆無だった。

 それでも、冒頭のような抗議行動を起こす人はごく少数。1981年のサダト前大統領暗殺事件以来、今も非常事態令下にあるこの国では、令状なしの逮捕など治安当局には強大な権限が認められているためだ。「食べ物にさえ困らなければ怒らないよ」。会社経営のエジプト人の知人が解説してくれた。パンの価格が高騰した2008年には実際に各地で暴動が起きた。

 露骨な野党排除は、来秋の大統領選を控え、82歳のムバラク大統領が次男に権力を継承する地ならしとも言われる。悠久のナイルの流れのようにこの国は変わらないのだろうか、とも思える。それでも投票にやって来た20歳代の女性はこう話してくれた。「選挙結果は信用できない。でもこの1票は私の権利だから」。こんな意識の広がりが、いつか大きなうねりとなる日が来るのかもしれない。

(2010年12月27日 読売新聞)


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