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国際政治・世界事情
1803
:
チバQ
:2010/12/23(木) 12:56:52
http://mainichi.jp/select/world/news/20101214dde041030007000c.html
乾きと命:貧困の街で/中 途方に暮れる母
◇支援、受け方知らず
3床だけの分娩(ぶんべん)室に次々と妊婦が運ばれ、新生児が生まれる。ケニアの首都ナイロビのキベラスラム内のフレパルス産院は、スラムの人口急増の現場だ。女性スタッフは「今朝は1分ごとに4人が生まれた」と汗を拭った。
出産を終え、病棟で休む母親たちの表情はさまざまだ。結婚4年目で待望の初子を産んだベルマ・コバさん(23)は「もう(子どもは)あきらめていたから奇跡みたい」と眠る男児を幸せそうに見つめる。双子を産んだアイリーン・ナトゥンゴさん(35)は途方に暮れていた。「4人の息子を残して夫は死に、この子たちの父親とも別れた。私一人で養わなきゃいけないのに双子だなんて……」
出産の翌日、HIV感染者のユニス・アチェンさん(24)は産院から自宅に戻った。家の外で走り回る娘シェリルちゃん(5)の姿を2日ぶりに見て「昨晩は娘が心配で眠れなかった」とほっとした表情を浮かべた。
トタンを打ち付けただけの自宅は3畳しかなく隣のごみ捨て場から真っ黒な水が流れ出す。家賃は月1000ケニアシリング(日本円で約1000円)。他の家より高い。家主に足元を見られている可能性もあるという。
アニャンゴちゃんを連れて自宅に戻ったユニス・アチェンさん。5歳の長女シェリルちゃんが迎えた=ケニア・ナイロビのキベラスラムで、小松雄介撮影 スラム内の診療所ではNGO「国境なき医師団」がHIV感染者にエイズ発症を抑える薬を無料で配る。だがユニスさんは診療所に通っていないため薬を処方されていない。長年キベラスラムに通い貧しい子どもを支援する日本人女性、早川千晶さん(44)は「ユニスさんは小学校さえ卒業しておらず、周囲の助けもないため、どうすれば支援を受けられるのか分かっていない。スラムでは教育をまともに受けていない人が多く貧困の悪循環を生んでいる」と話す。
出産1カ月半後。ユニスさんの生活支援に乗り出した早川さんから悲報が届いた。「アニャンゴちゃん(ユニスさんの赤ちゃん)が昨夜亡くなりました。下痢が続き、本当にあっけなく死んでしまいました」【遠藤孝康】
◇「難民救援金」協力を
災害や戦争、貧困などで苦しむ子どもたちを支援する海外難民救援金を募集しています。郵便振替または現金書留で送金いただくか、直接ご持参ください。なお、物資はお受けできません。紙面記載で「匿名希望」の方はその旨を明記してください。〒100−8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1 毎日新聞東京社会事業団「海外難民救援金」係(郵便振替00120・0・76498)
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