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国際政治・世界事情

1793チバQ:2010/12/22(水) 00:24:40
http://mainichi.jp/select/world/from/news/20101206ddm007070098000c.html
From:カザフスタン 11年がかりの迷走
 カザフスタンの首都アスタナは北部のステップ地帯にある。13年前に南部アルマトイから遷都され、近代的なビルが林立する。冬の気候は厳しく、欧米と旧ソ連の56カ国が加盟する全欧安保協力機構(OSCE)の首脳会議が開かれた12月1、2日は、寒波と猛吹雪で気温は氷点下10度を下回った。

 ナザルバエフ大統領は冒頭演説で、セミパラチンスク核実験場を閉鎖し、核弾頭を撤去したことに触れ、「核なき世界」の実現を呼びかけた。だが、20年以上も権力の座にあるナザルバエフ大統領が、人権・民主主義を掲げるOSCEの議長を務めたことには、人権団体から「最大のパラドックス」と批判が出た。

 折しも、内部告発サイト「ウィキリークス」が公表した米外交公電で、大統領の娘婿が誕生日に英歌手エルトン・ジョンさんを招いて私的なコンサートを開くなど、一族の豪勢な生活ぶりも暴露された。

 そのためというわけでもないだろうが、会議には11年ぶりのサミットという高揚感がまったく感じられなかった。グルジア紛争などを巡る対立で予定された行動計画の採択は見送られ、多くの首脳は閉幕を待たずに早々と帰国した。3日未明の総括会見で、「歴史的な成功」を強調するナザルバエフ大統領の言葉がむなしく響いた。

 バンクーバーからウラジオストクまでを網羅するOSCEは冷戦下に発足し、東西間の信頼醸成に一定の役割を果たした。冷戦後は予防外交や選挙監視などを中心に活動を進めているが、旧ユーゴ紛争を最後に大きな火種が消えた欧州ではOSCEへの関心が年々低下しているといわれる。

 一方で旧ソ連地域には未解決の紛争が数多く残る。本来、OSCEが存在意義を見いだすには軸足を東へ移さざるを得ない。カザフが11年ぶりの首脳会議を開催し、キルギスなど不安定要因を抱える中央アジアに欧米の目を向けさせようとしたこと自体は理解できる。

 紛争予防機能の強化を求める意見も出たが、深刻な内部対立のあおりで埋没した。交渉筋は「今回は首脳が久しぶりに集まることに意味がある」と語った。外交・安保分野を強化する欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)とは対照的に、OSCEは方向性を見失っている。

 99年のイスタンブールでの首脳会議も取材したが、ロシアと欧米が当時のチェチェン紛争を巡って激しく対立した。サミットはその後、長らく休眠状態となった。中央アジア地域の安保メカニズムとしては、中露が主導する上海協力機構が存在感を増している。

 結局、カザフの国威発揚の手段としての会議開催という印象が色濃く、後味も悪かった。参加各国は果たして次のサミットを開こうという意欲を共有できるのだろうか。【田中洋之】


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