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国際政治・世界事情
1
:
とはずがたり
:2005/05/23(月) 02:47:11
世界情勢・世界史ネタなど
軍事問題は安全保障論
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/l10
を国際経済問題は国際経済学
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165061/l10
を参照の事
1757
:
チバQ
:2010/12/05(日) 19:05:52
>>1709
>>1721-1725
この大使は情報発信を行っていてえらいですね
本当はマスコミの仕事なんでしょうが
http://blog.goo.ne.jp/zoge1/e/b9c672727b2f4fb8491e8ccef0f24452
ギニアの決選投票
2010-11-24 | Weblogギニアの大統領選挙はどうなったのか。ギニアでも、今年の6月に第一回投票が行われ、50%を得票した候補がいなかったので、決選投票が行われることになった。その決選投票が、何度も延期された。最後に、10月24日に実施されることが決まった、というところまでは先日の記事に書いた。
その10月24日は、準備不足と治安情勢を理由に再び延期され、結局11月7日に決選投票が実施された。ところが、開票結果がなかなか発表されない。1週間余りさんざんやきもきさせた後、11月15日にようやく、選挙管理委員会によって開票結果が発表された。
アルファ・コンデ候補が、得票率53%で勝利。セル・ダーレン・ディアロ候補は落選、というのがその結果である。大逆転である。というのは、第一回投票ではアルファ・コンデ候補は18%しか得票していない。それが53%まで得票をのばした。一方のセル・ダーレン・ディアロ候補は、第一回投票では、43%も取っていたのである。
ディアロ候補は、この開票結果はとても受け入れられない、と声明して抗議行動に移った。11月16日には、首都コナクリ市郊外で、投石したりタイヤを燃やしたりして抗議していた人々が治安部隊と衝突し、死者7人、負傷者数十人が発生するという事件が起こった。さらには、ギニア中部のラベ県など、各地でも同様の衝突が発生している様子である。こうした混乱が拡大しないようにするために、ギニア暫定政府は、11月17日に非常事態を宣言した。
1758
:
チバQ
:2010/12/05(日) 19:06:11
残念ながら、ギニアの大統領選挙は、現在のところはまだ不安定な情勢が続いている。各地で衝突や騒乱が起り、人々は店などを閉めて閉じこもっているという。手続きの上からは、最高裁判所が不服申し立てを審査した後、「確定結果」を発表することになるらしい。12月2日に結果が発表されれば、それが受け入れられて情勢が落ち着くのか、あるいはそのまま衝突と対立が続いていくのか、今後の成り行きを見守る必要がある。
第一回投票で、18%しか取れなかったアルファ・コンデ候補が、どうして決選投票では52%まで得票を伸ばして逆転できたのか。国際監視団なども入っているけれども、開票結果に大きな操作や捏造があったというような報告は聞いていない。であるとすれば、これこそ部族間の対立感情が、大きく表にあらわれてきた結果である。つまり、第一回投票で43%を得票し、決選投票で当選を決める確率が大いに高まったセル・ダーレン・ディアロ候補に対して、部族対立に起因する危機感が強く作用して、票がアルファ・コンデ候補のほうに流れたからであると分析されている。
セル・ダーレン・ディアロ候補は、「プル族(Peuls)」から出ている候補である。この人々は、遊牧民族として外来の文化を持ち、牧畜業や商業などに従事し、イスラム教徒が多い。おそらくギニアにおける最大民族(約40%と推定)であり、商業活動などを通じて経済を支配する力を持っている。この「プル族」に対して、古来からギニアの地に定住している「スス族(Sousou)」と「マレンケ族(Malinke)」は脅威を感じており、それが嵩じて、初代大統領セク・トゥーレ(マレンケ族出身)は、徹底的に「プル族」を弾圧した。第2代大統領ランサナ・コンテも、スス族出身であり、「プル族」はずっと冷や飯を食ってきたわけである。
もし、ここで「プル族」出身の大統領が出たら、どうなるだろう。おそらく、過去50年にわたる歴史を踏まえれば、報復に出るのではないか。「スス族」と「マレンケ族」の人々の間に、そういう恐怖感が生じたことは十分考えられる。また、弾圧の期間を通じて、多くの「プル族」の人々が、国外に逃亡した。たとえば、ここアビジャンでも、タクシーの運転手の3割以上が、「プル族」の人々であると言われている。それらの人々が、大手を振ってギニアに戻って来るかもしれない。それは、「スス族」と「マレンケ族」の人々の既得権益を脅かすことになる。
だから、決選投票では、「プル族」以外の全ての部族の票が、アルファ・コンデ候補に集中した。それだから、アルファ・コンデ候補が52%の大逆転を成し遂げることができた。決選投票の結果について、とりあえずはそう分析されている。その分析が正しければ、決選投票を通じて、古くからの部族対立の構図を、再度確認するような結果になった。それだけではなく、このようにセル・ダーレン・ディアロ候補の側、つまり「プル族」の誰もが、選挙結果を見て、他の部族に押しつぶされたと感じるようであれば、対立感情はいつまでもしこりを残すだろう。悪くすれば、このまま国の分裂が深まっていくことにもなりかねない。
このようにギニアでも、選挙がかえって国民の間の亀裂を深めてしまう、という結果を生んでいる。コートジボワールでは多くの人が、こういったギニアの轍を踏まないように願っているのである。しかし現実は、今週末の投票日に向けて、どうも国民の亀裂を深めていくような様相で、たいへん心配である。
それにしても、国民が日常の生活のなかで部族の差を薄め、平和に国民融和を進めても、5年ごとに訪れる大統領選挙が、否応なしに部族対立を再燃させる。部族社会であるアフリカの現実を踏まえれば、アフリカの人々が部族対立を越えた国民意識を身に付けることを待つのか、それができないのなら、選挙制度ひいては政治制度を再考するしかないのかもしれない。
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