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国際政治・世界事情

1740チバQ:2010/11/27(土) 18:22:48
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 票の操作が常態化しているとの指摘もあるエジプトでは、NDPの党内力学の変化が選挙結果を大きく左右するといわれる。特に過去2回の総選挙では、1981年から最高権力者の座にあるムバラク大統領の次男、ガマール氏の存在が触媒の役割を果たしてきた。

 投資銀行勤務の経験もあるガマール氏がNDPの要職に就いたのは2000年。以来、ムバラク大統領が権力を「世襲」しようとしているのではないか−との観測は絶えない。

 ガマール氏は、国営企業の民営化や規制緩和の推進で財界の支持を固める一方、05年には「党の近代化を図る」として古参議員らを排除し、自らの党内基盤強化を目指したとされる。

 しかし、こうした動きは、それまでの社会主義的な経済政策の恩恵を受けてきた層や、既得権益が脅かされることを警戒する党内勢力の反発を呼んだ。

 同年の総選挙では「ガマール派」とされる公認候補が多数落選。あるNDP関係者は当時の経緯を「(ガマール派の)行き過ぎを懸念した大統領の調停が作用した」結果だと説明する。

 そして、今回の候補者選定をめぐるドタバタ劇。

 エジプト政治に詳しいカイロ大のムスタファ・カーメル教授は「05年よりガマール氏の影響力は低下している」とした上で、「(同一選挙区での複数擁立は)激しさを増す党内の権力闘争が表面化した」ためだと指摘する。

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 「NDPの支配が長期化した結果、権力や富を求めて多くの人が党に群がっている。でも、束ねる力がなくなればバラバラだ」

 NDPのあるベテラン議員は、こんな懸念を口にする。「そうなれば(社会が不安定化し)急進的なイスラム勢力が入り込んでくるかもしれない」

 海上交通の要衝、スエズ運河を擁し、8千万人超と中東随一の人口を誇るエジプトの不安定化は、国際社会全体の脅威となる。

 大統領選を来年に控え、ムバラク大統領が再出馬するのかどうかも不透明な中、後継者について沈黙を守るムバラク氏は今年、82歳になった。健康不安説も根強い。

 2000年代に入り、政策理念や世代間の対立を抱えながらさらに肥大化したNDP。その内部の利害を調整し、かろうじて一つにまとめ上げてきた「要」がなくなったときの衝撃の大きさを、誰もが測りきれずにいる。

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【用語解説】エジプト人民議会選挙

 定数518のうち10議席は大統領が任命し、残りの508議席を直接選挙で選ぶ。任期5年。各選挙区には「労働者・農民代表議席」と「専門職代表議席」があり、それぞれに1人ずつが選ばれる。今回から「女性枠」として64議席が新設された。1回目の投票で過半数を取る候補者がいない場合は決選投票が行われる。


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