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国際政治・世界事情
1535
:
チバQ
:2010/08/03(火) 22:48:40
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100802-OYT1T01161.htm
揺れるイタリア政財界…秘密結社の頭目は首相?
イタリア上院で審議に臨むベルルスコーニ首相(後列中央)と閣僚=7月29日、ロイター
【ローマ=柳沢亨之】イタリアのベルルスコーニ政権が、選挙工作や人事介入などの政治的陰謀に手を染める「秘密結社疑惑」に揺れている。
伊捜査当局が政権幹部らを次々と事情聴取し、辞任に追い込んでいる上、首相本人が関係している可能性も取りざたされている。疑惑は、与党の重鎮ジャンフランコ・フィーニ下院議長が首相と対立、新会派を結成した背景にもなったとみられる。
結社疑惑は西部サルデーニャ州発注の発電事業を巡る汚職捜査で浮上。伊捜査当局は7月8日、地元政商の男ら3人を、受注者を選定する権限のある州幹部人事に違法に介入する組織を運営していた容疑で逮捕したと発表した。イタリアでは秘密結社を組織することは違法とされている。
捜査当局は、この政商が、目的は不明だが、首相率いる最大与党「自由の人民」幹部の銀行会長(当時)に違法に資金を提供していた疑いを強め、会長が自らの口座から260万ユーロ(約3億円)を引き出していた事実をつかんだ。銀行会長は26日、辞任に追い込まれた。
さらに盗聴捜査を通じ、銀行会長が昨秋、南部カンパニア州知事選への出馬を図った経済・財務政務次官を支援するため、政商、首相側近のマルチェッロ・デッルトリ上院議員、法務政務次官らとともに、党内対抗馬の性的醜聞に関する資料を作った事実が発覚。経済次官はマフィアに便宜を図った容疑でも捜査を受けており、14日に辞任した。
法律の合憲性を判断する憲法裁判所に介入していた疑いも持たれている。特に、首相らの在職中の訴追を免除する「免訴特権法」を違憲とした昨年10月の判決を前に、判事の親睦会と接触していた事実が発覚し、合憲判決獲得を狙った工作だったのではないか、との疑いが持たれている。
捜査当局は上院議員が組織の中心人物とみて、関係者の事情聴取を続けている。議員は6月、マフィアを支援した罪で禁固7年の判決を受けた。議員は実業家だった首相の政界進出を支えた参謀としても知られる。
伊メディアは首相本人が関与する可能性にも言及し始めた。逮捕者の盗聴会話で、結社の頭目を指すとみられる「シーザー」との表現が数回登場。「シーザー」について、捜査当局が「首相本人である可能性」をリークしたためだ。首相側は「左翼メディアの反政府宣伝」と全面否定している。
イタリアの結社疑惑としては、冷戦期に、元ファシスト党員を頭目とする政財界有力者約1000人の右翼秘密組織「P2」が実在した。左翼への対抗を目的に、省庁人事や新聞社経営に介入していた事実が1980年代初めに発覚、当時の内閣総辞職に発展した。
今回の結社疑惑を伊メディアは「P3」と命名。フィーニ下院議長が「疑惑の政治家は全員辞職せよ」と公言し、連立与党を過半数割れに追い込むなど、疑惑は政局を揺さぶっている。
(2010年8月3日12時42分 読売新聞)
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