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国際政治・世界事情

1517チバQ:2010/07/04(日) 01:26:06
政治腐敗が再び拡大中
 マンデラは、人種融和のためのこうしたパフォーマンスをよく行った。自分の釈放を拒み続けたP・W・ボタ元大統領を表敬訪問したこともある。

 黒人のなかには、こうした姿勢は白人に寛容すぎると反発する人もいた。だが、白人が経済を牛耳り、右派勢力が政治に大きな影響力をもち続けていたことを考えると、マンデラの態度は賢明だったと言わざるをえない。 

 99年、マンデラは大統領の座から退いた。民主主義の重要性を強調するためにも、アフリカでよくみられるような終身大統領になるわけにはいかなかった。ターボ・ムベキが大統領に就任すると、マンデラは国内の政治問題について口を閉ざすことにした。

 それでも、やむにやまれず「良心の声」を発することがある。マンデラは、ムベキは南アフリカのエイズ問題にもっと真剣に対処すべきだと批判したことがある。

 ムベキは今、隣国ジンバブエのロバート・ムガベ大統領による野党弾圧を傍観していると批判されている。マンデラもムベキの無策ぶりに不満をいだいているだろう。

 マンデラは、ジェイコブ・ズマが昨年、ANC議長に選出されたことも好ましく思っていないはずだ。ズマは次期大統領と目されている(ムベキの任期は09年に満了)が、武器の不正取引疑惑が問題になっている。ムベキ政権も汚職などのスキャンダルにまみれている。マンデラが根絶に努めた政治腐敗が再び広まっているようだ。

 人種対立は以前より改善されているが、犯罪の増加と物価高騰、ズマの不正疑惑などが、人種を問わず国民の不安をかき立てている。

 スキャンダルでもたつくANCに対して、マンデラがどれだけの影響力を行使できるかはわからない。だが、彼の体力の衰えを考えると、これまでに培った権威だけで南アフリカの政治を正しい方向に向け直すのはむずかしいようだ。

 とはいえ、彼が達成した偉業の輝きがうせることはない。私は90年2月11日、マンデラがビクターバースター刑務所から釈放されるのを待っていた黒人ジェフリー・プラムに、なぜマンデラの姿を見に来たのかと尋ねた。

「イエス・キリストの時代と同じだ」と、彼は言った。「みんな、病気を治してもらいにキリストに会いに行っただろう?」

 マンデラには、そんな奇跡の力はない。だが、病んだ社会を直すために彼が果たした役割は永遠に記憶されるだろう。


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