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国際政治・世界事情

1とはずがたり:2005/05/23(月) 02:47:11
世界情勢・世界史ネタなど
軍事問題は安全保障論http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1043205301/l10を国際経済問題は国際経済学http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1060165061/l10を参照の事

1456チバQ:2010/06/13(日) 09:53:08
http://mainichi.jp/select/world/news/20100611ddm007030067000c.html
変わるコロンビア:大統領選・決選投票を前に/上(その1) 米の援助でゲリラ掃討
 ◇「誘拐の国」一変 陰で「偽装殺人」横行
 麻薬に汚染され、テロや誘拐事件が絶えなかったコロンビアが様変わりしている。米国から巨額の援助を受け左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)の本格掃討を進めた結果、テロや誘拐事件は激減した。20日に行われる大統領選決選投票では、ウリベ現政権の治安対策を継承する与党候補が優位な情勢だ。国に完全な平和は戻るのか。現地から報告する。【ボゴタ國枝すみれ】

 夜遅くまで酔客らでにぎわう首都ボゴタの繁華街。タクシー運転手、フアン・アルフォンソさん(44)は「以前は考えられなかった光景だ。私自身、夕方5時になると誘拐が怖くて車を止め、ホテルに泊まり、朝5時を待って走り出した。ウリベ大統領のおかげで今は夜中でも走れる」。

 「力による内戦の終結」を公約にウリベ大統領が当選した02年、コロンビア革命軍は国土の3分の1ほどの領土を実効支配。156市に警察署がなく、236市の市長が別の市に脱出していた。革命軍は我が物顔で幹線道路を遮断し、車に乗る市民を次々と誘拐した。

 「かつては誘拐といえばコロンビアだった。今は全く違う」。コロンビア警察誘拐対策チームを率いるニコラス・ムニョス司令官(46)は誇らしげに語る。「先月末、(中部)メデジンで女性が誘拐された際、我々は即座に市外に通じる道路を封鎖し、ヘリコプター2機で捜索。犯人グループは女性を24時間で解放した。我々は最新技術を駆使してアジトも発見できる」

 政府軍と警察の強硬策を支えているのは、米国による資金援助だ。今年は6億ドル(約550億円)で、うち4割を軍が使う。無線システムや全地球測位システム(GPS)装置を導入し、赤外線ゴーグルのおかげで夜間も捜査可能となった。米国とは情報を共有し、共同で軍事行動も行う。米国に流入するコカインの9割がコロンビア産のため、麻薬組織と化した革命軍つぶしが共通の目的となっている。

 02年から09年までにテロは1645件から486件に、誘拐は2882件から213件に減った。政府は19年までにゼロを目指す。だが、治安が回復する陰で、「戦果」を上げたい政府軍兵士による「偽装殺人」も多く露見している。

 08年9月、中部ソアチャ市で16人、北部アグアチカスで5人の若者が行方不明となり、数日後に遺体で発見された。軍は衝突で死亡した「ゲリラ兵」だと報告した。

 人権団体「コロンビアンズ・フォー・ピース」のイバン・セペーダ氏(46)は「貧しい地区の若者が仕事をもらえる約束で集められ、ゲリラ兵の服を着せられ殺された。殺したゲリラの数を多く報告した兵士が出世、休暇、金などの報酬を受け取れたことが原因だ」と話す。これまで2318人の偽装殺人に関する1240件の裁判が行われ、兵士218人が実刑判決を受けた。

 それでも多くの国民は治安対策の継続を望んでいる。先月30日の大統領選第1回投票は、前国防相で対革命軍強硬派のフアン・サントス候補が大きくリードした。サントス氏に票を投じた農薬販売業、アンドレス・コレアさん(41)は言う。「コロンビアの進む道を変えるべきではない。重要なのは、まず革命軍との半世紀近くに及ぶ戦いを終わらせることだ」

1457チバQ:2010/06/13(日) 09:53:39
http://mainichi.jp/select/world/news/20100611ddm007030050000c.html
変わるコロンビア:大統領選・決選投票を前に/上(その2止) 左翼ゲリラの今
 ◇革命軍変容に国民失望
 ◇農地改革掲げ創設−−−誘拐集団、麻薬組織に 息子が11年間拘束「ひどいことを、なぜ」
 左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)は1964年、貧しい農民に農地改革で富の再分配をするという目的を掲げて創設されたが、次第に誘拐集団、麻薬組織に変容していった。そんな革命軍に国民は失望と嫌悪感を抱いている。【カリ(コロンビア中部)國枝すみれ】

 ■84人が人質に

 革命軍は60年代から麻薬組織と協力関係を強め、70年代から身代金目的の誘拐を始めた。冷戦が終結した90年代、後ろ盾を失った中南米の左翼ゲリラは衰退もしくは合法化に向かったが、資金源を確保していた革命軍は勢力を伸ばした。

 世論は革命軍に冷たくなった。08年、国内外の140市で反暴力デモが起き「ノー・モア・FARC」の声が上がった。理由は誘拐と麻薬だ。政府統計によれば、現在でも84人が革命軍やその他の犯罪組織の人質になっている。その一人が警官のセサル・ラソ巡査部長(45)。もう11年6カ月も革命軍に拘束されている。

 カリ在住の母親のファビオラさん(67)は誘拐される1年前の写真と09年9月に革命軍が公表した写真を並べてみせた。「ひどいでしょ。はげたし、ひどくやせてしまって。首には鎖が……」

 解放される人質に託すなどの方法で、ラソさんは密林から20通の手紙をよこした。たばこ箱の裏紙にびっしりと文字が並ぶ。「孤立した場所にいて心がマヒしてしまった。自分が生きているのか、死んでいるのかも分からない」

 ファビオラさんは毎朝5時半にラジオ局に電話し、息子あてのメッセージを入れる。「解放される日が必ず来る。希望を持って気落ちせず、一分一分をしっかり生きて」

 ラソさんの長男は13歳、長女は11歳半。長女は父親の顔を見たことがない。「毎日考えるけど、どうしても分からない。なぜ同じ国民にこんなひどいことができるのか」

 誘拐の犠牲者を支援するNGO「自由の国」のオルガ・ゴメス代表は「誘拐はゲリラの武器。戦費をまかなう方法として市民の命を使っている」と批判する。

 ■「戦争税」名目に

 02年に誘拐犯の8割を占めたゲリラは09年で4割弱に減った。「誘拐は絶対に許されない犯罪だというコンセンサスが生まれ、ゲリラは誘拐で政治的な得点ができなくなった」(ゴメス代表)。追い詰められた革命軍は、資金源を誘拐から「戦争税」という名目の恐喝にシフトしている。

 革命軍は支配地域の農民にコカ葉を育てさせ、コカインを精製、密輸し、資金源にしている。民間調査会社フェデサロージョが09年5月に発表した統計によれば、革命軍はコロンビアのコカイン生産の55%を支配し、年間約3600万ドルの収益を上げている。

 サンティアゴ・デ・カリ大のリバルド・オレフエラ教授(政治学)は「幹部は政治イデオロギーを保っているかもしれないが、多くのメンバーは金のために活動している。コロンビア革命軍は越えてはならない一線を越えてしまった」と言う。

 ■軍事力は低下

 国防省によれば、ウリベ政権が登場した02年には2万人を超えた革命軍の構成員数は09年、8248人に減った。

 オレフエラ教授は「メンバーはベネズエラやブラジルなど隣国へ逃げたが、それは戦略だ。革命軍の軍事力、政治力は低下しているが、国境を越えて攻撃を仕掛けてくる力はある」と警告する。

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 ◇コロンビア革命軍(FARC)をめぐる動き
1964年   創設

  85年   政党・愛国同盟(UP)を創設、国政に参加を試みる。その後、大統領候補2人、議員7人が暗殺される

  98年   和平交渉開始。軍が介入しない「緊張緩和地域」が設置される

2002年2月 旅客機乗っ取り。政府は和平交渉を打ち切る

     8月 ウリベ大統領の就任式にロケット弾撃ち込む

  08年3月 軍がエクアドル領内を空爆し、革命軍のレジェス司令官らを殺害。同月、創設者の一人であるマルランダ最高司令官が病死。もう一人の若手幹部も投降しようとしたゲリラ仲間に殺される

     7月 軍がフランス国籍を持つベタンクール元大統領候補ら人質15人を奪還

1458チバQ:2010/06/13(日) 09:54:21
http://mainichi.jp/select/world/news/20100613ddm007030147000c.html
変わるコロンビア:大統領選・決選投票を前に/下 貧困対策、平和のカギ
 都市が繁栄する一方で、農村では大規模農場主に雇われた右派民兵の暴力が深刻化。年数十万人の農民が土地を奪われ都市に逃げてくる。

 ボゴタ市北部スガ地区。福祉事務所アクシオン・ソシアルは毎日約200人の避難民でごった返す。子供に乳を含ませる母親、泣き叫ぶ幼児に交じり、ソニャ・ヌニェスさん(42)がいた。北東部グワヒラ県の小さな畑でプルーンやナスを育て鶏を飼っていた。08年7月、マスクをつけた右派民兵が家に来た。息子のクリスティアンさん(18)が言う。「入隊しなければ家族を殺し、お前も殺すと言われた。でも、入って最初にさせられることはやはり家族を殺すこと。だから断った」

 一家は着の身着のまま山に逃げ、その後ボゴタの親族宅に身を寄せた。路上で1000ペソ(約50円)のエンパナーダ(揚げパン)を売って暮らす。故郷に戻ることはあきらめた。「土地を取り戻そうとしたら殺される」

 右派民兵は元来、大土地所有者が左翼ゲリラの攻撃から身を守るために雇った私兵だった。それが左翼政治家や労組指導者を殺す暗殺テロ集団に変容し、近年は大規模農場主らのために農民の土地を奪うケースが増えている。「お前の土地を買おう。もし断れば、寡婦となったお前の妻から安く買うことになる」と脅すのだ。

 南部では左翼ゲリラの暴力も続く。コロンビア革命軍(FARC)は02年4月、南部カウカ県で12人の地方政治家を誘拐。シヒフレド・ロペス氏(46)以外の11人は07年6月に殺された。政府軍に追い詰められたゲリラのリーダーが友軍を軍と勘違いし「捕虜を殺して逃げろ」と命令したのだ。ロペス氏が生き残ったのは、偶然見張り役が離れていたからだ。11人の死を知ったロペス氏は4カ月間、うつ状態に陥ったという。

 08年12月に解放されたロペス氏は「ゲリラは間違っている。でも彼らがまだ存在する理由は政治の欠陥だ」と語る。「3回飯が食え、靴がはけるという理由で父親からゲリラに引き渡された少年兵に会った。軍事力だけでは問題は解決しない。貧しい人に土地を分け与える改革が必要だ」

 避難民の援助組織を作った弁護士テレサ・ロサレスさんも「貧しさ、飢え、暴力。悲惨な場所に紛争は起きる」と話す。

 ウリベ政権後を決める大統領選挙。最新の世論調査で支持率65%を得た前国防相、フアン・サントス候補の訴えの軸足は、治安対策ではなく失業・貧困対策だ。コロンビアがやっと手に入れ始めた安全という果実。それを農村や貧困層に分配できるかが内戦終結の成否を決める。【ボゴタ國枝すみれ】


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