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文部スレ

2921とはずがたり:2016/04/12(火) 14:51:05
>>2920-2921
新聞社か、出版社か……。
賢明な判断で道を切り拓いた人

?一方で、賢明な判断で進路を切り拓いた人もいる。連載第11回で、筆者が10年ほど前に、専門学校で企業の新卒時の就職試験に課せられる「論作文」の書き方を教えていたことを書いた。平均年齢20代半ばの受講生の中に、一橋大学を卒業し、当時26歳だった男性がいた。彼は、こんな問いかけをしてきた。

「記者になりたい。全国紙よりも、出版社のほうが採用のハードルが低いから、出版社に行くべきか」

?筆者は、このようなことを講義中、数十人を前に答えた。

「編集者を育て上げる出版社では、全国紙のようなレベルの記者を育成することは難しい。週刊誌などの契約社員の記者のレベルは高いが、正社員として編集者をしながら記者をする、という人のレベルは高いとは思えない。兼務ができるほど、記者の仕事は甘くはない」

?まず、新卒時の採用試験で内定を得る人のレベルが大きく異なる。マスコミセミナーや専門学校などに通う大学生の「論作文」の点数で言えば、200〜210点満点で全国紙や通信社の内定をもらう学生は、平均で170〜180点以上。全学生の平均は80〜90点ほどになる。

?一方で、出版社の中では一流と言える5〜6社を除く、準大手・中堅クラスの会社に進む学生は、その多くが130点以下。他の科目である「時事問題」や「英語」でも、同じような差がつく。同じ大学・学部を卒業しても、点数の差は大きい。「この傾向はここ20〜30年、大きくは変わらない」と、マスコミセミナーなどの講師や元講師たちは言う。

?記者の世界は、5大全国紙と2大通信社にNHKを加えた8大報道機関の力が圧倒的に強く、それにブロック紙が追随する構造になっている。この十数社が、新卒時の入社の難易度や記者のレベル、実績、育成の体制や仕組みなどを見ても、一流と言える。筆者が知る元全国紙の記者で、準大手出版社の局長をする男性は、2012年にこう話していた。

「うちの会社の記者は、全国紙のような純然たる記者ではない。『記者的なこともする編集者』という表現が実態に近い。純然たる記者を育成する力は、うちにはない」

?全国紙の資本が入る別の準大手出版社の局長の男性は、元全国紙記者だったが、2011年に同じようなことを話していた。

「うちはあくまで、編集者がメイン。そのかたわら、時々記者をする。1ヵ月に書く本数は、全国紙の記者の5〜6分の1も行かない。30代半ば以降は、編集者の仕事が圧倒的に多い。出版社の記者と全国紙や通信社などのそれは、力量も実績も別世界である。芥川賞や直木賞のような文芸賞の受賞作家や、報道番組などでのキャスター、大学でメディア論などを教える教員、政府や自治体の審議会委員の数などで比べても、8大報道機関の記者や出身者の数は、出版社の記者やOBを圧倒している」

記事掲載のトラブルを未然に
防ごうとする出版社

?すでにどこかの企業に在籍しながら受講している生徒たちが、「会社としての方針が曖昧であるところが、うちの会社にそっくり」と一段と真剣に聞いていたのが、ここからの話だった。

?出版社の記者(編集者兼務)とコンビを組んで仕事をする、元全国紙記者の作家と話すと、「全国紙と比べて、出版社の編集方針はブレる」と答えていた。担当者レベルでコロコロと変わるらしい。「社内で、こういう声がある」「部内で、こんな声を聞いた」と、担当記者兼編集者が社内の空気や世論を先回りして、記事を掲載するにあたってのトラブルを防ごうとするのだという。社内の空気や世論を恐れるそうだ。

?ところが、作家が他の編集者に聞くと、「そのような声はない」という回答が返ってくる。挙げ句に、そんな世論も空気もないという。これらが事実ならば、担当者は過剰反応をしているのだろう。全国紙のような記者ではないから、適切な判断ができないのかもしれない。適性がないことも考えられる。

?ここには、報道機関が本来持つはずの「報道のガイドライン」もなければ、「ハンドブック」もない。ルールではなく、各々の判断で動いている可能性がある。こんな話を聞くたびに、こういう会社に入っても、全国紙のような記者にはなれないと思う。…


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