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文部スレ

2828とはずがたり:2016/02/07(日) 22:51:46

「評価」では東大が別格、やはり立教が健闘

次に、「考える力を評価している授業」の結果を見てみましょう。下の表をご覧ください。

http://tohazugatali.we b.fc2.com/education/13671-02.jpg

ここで目立つのは、東京大学の圧倒的な強さです。これには理由があって、東京大学法学部と経済学部では、学生につける「優・良・可・不可」の割合が決められていて、いいかげんな勉強では簡単に単位を落とされてしまうからです。逆に言うと、成績に差をつけなくてはならないので、暗記しただけでは太刀打ちできない、「考える力」が試される論述問題を出題しているとも言えます(とは註:当然大人数教育の私学にはこういうことはなかなか出来ない)。

そういった特殊な事情がある東京大学を除けば、やはり立教大学経営学部の健闘が目立ちます。東大を除いた8大学26学部の平均は3.2ですので、2.5倍も、考える力を評価していると言えるのです。

先ほどお話しした「ビジネスリーダーシッププログラム」では、普段の授業の活動経過を評価しています。ディスカッションでの発言内容、チームへのかかわり方、プロジェクトの進行過程も評価の対象となります。これはまさに、アメリカの大学流の評価方法と言えるでしょう。

一方、やはり早慶は平均点を超えているのが早稲田の商学部だけと、残念な結果になっています。

調査の目的は、「正のスパイラル」を回すこと

このような調査をした真の目的は、調査結果を公表することで、連載第2回目に紹介した「負のスパイラル」が反転し、「正のスパイラル」になる一助とすることです。

正のスパイラルが回っている社会では、学生はバイトやサークルだけでなく、授業にも力を入れざるをえなくなります。なぜなら、企業が採用の際に、大学の成績を参考にするようになるからです。そうなると、海外の大学生のように、日本の大学生も大学の勉強に時間をかけるようになりますし、真剣度も増します。

学生が授業にまじめに取り組み出すと、内容や評価がいいかげんな先生の授業は取らなくなります。さらに学生は、どうせ授業に力を入れなくはならないのなら、より質の高い教育を求めるようになります。何を教えてもらえるのか、どのような時間を過ごさせてくれるのか、授業を見る目が厳しくなります。

そうなると、先生も授業の質を高めざるをえなくなります。また、質を高めても学生はそれについてきます。学生と先生が、互いに高い要望を持てるようになってくるわけです。

さて、授業と評価の質が高くなると、企業は大学の成績を信頼できるようになります。採用選考の基準として、たとえば学生の事前選考に利用できるようになるわけです。

企業が大学の成績を参考にするようになると、大学生は勉強して少しでも成績を上げようとします――これが正のスパイラルです。正のスパイラルが回り始めれば、大学生は晴れて勉強するようになるのです。

これを、絵空事だと思いますか??しかし、アメリカをはじめ海外では、当たり前のことです。日本だけが実現できない理由など、どこにもありません。

大学生・大学から手をつけてもうまくいかない

正のスパイラルを回せばいいということは、ご理解いただけたかと思います。では、負のスパイラルを正のスパイラルに変えるためには、どこから手をつければいいのか、考えてみましょう。

まず、学生に「もっと勉強しろ」というメッセージを送る、というのはどうでしょうか??これでうまくいけばたいへん美しいのですが、残念ながら期待薄と言わざるをえません。ご自分に当てはめればわかっていただけると思いますが、私も含め多くの人間は、楽しくもなく、何の得もない行動を続けられるようにはできていません。メッセージを送っただけでうまくいくと考えるのは、牧歌的にすぎます。

では、大学の先生を変えるのはどうでしょうか??大学の先生を評価し、きちんと指導・評価していない先生をクビにする。あるいは単位認定を厳しくし、きちんと勉強しない大学生は卒業できないようにする。このような改革は、たしかに一定の効果をもたらしそうに思えます。ですが、私にはあまりうまいやり方だとは思えません。


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