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労働運動

862とはずがたり:2014/11/29(土) 10:16:23
 ローカル経済圏の産業は、GDPや雇用のおよそ7割を占めています。この経済圏の特性は、「密度の経済性」が効くことです。例えば、岩手県の路線バス会社と宮城県の路線バス会社はまったく競争関係にありません。隣の県のバス会社の生産性が高くても乗れませんから。もちろん路線という規制があることもありますが、いろいろな設備を所有し地域に密着した事業者が既に存在すると、それをひっくり返すのはとても大変なんです。

 これは規制業種ではない小売業でも同じで、例えばコンビニエンスストアではドミナント戦略がモノを言う。生産性だけで競争が起きているわけではないんですね。それに加えて規制があると、効率の良い企業と効率の悪い企業が共存することが起きます。

人手不足倒産は実は良いこと

原田:最終的には、本当にバスの運転士が足りなければ、賃金が上がり、企業は倒産します。人手不足倒産です。そこで、生産性の高い企業がこの企業を安く買収すれば、経済全体の一人あたり生産性が高まります。少ない運転士でも効率良く運行できる会社が運営するわけだから。

 こういう調整が起きていけば、日本全体の生産性は高まっていき、サービスも良くなります。人手不足倒産が起きて、雇用と仕事が生産性の高いところへ移動することを妨げてはいけない。人手不足倒産は実は良いことです。

 有効求人倍率など雇用情勢を見ると、地方は都市部よりも良くありませんが、このところ上がってきています。気になるのは東北地方です。建設分野に復興需要という特殊要因があって、生産性の低い公共工事に人を取ってしまっている。冨山さんの言う人手不足が今後もっと顕在化しますので、無駄な公共事業を減らすべきです。

冨山:経済が本来の調整メカニズムを発揮して、本来起こるべき雇用の移動や企業の新陳代謝を妨げないようにしなければなりません。

 これは何も規制だけではありません。規制以外にも多くの阻害要因があります。金融円滑化法もそうだし、保証協会融資も雇用調整助成金もそう。密度の経済性が効いているところに、政府がさらに介入してミルク補給をしてしまっています。

 経済が良くなってきたんだったら、人工的な安全装置は外していったらどうですか? というのが私の提案です。人手不足が顕在化してきた今の状態であれば、外しても社会的な副作用はないはずです。

 日本経済の状態がいまより悪く、現実問題として有効求人倍率が低かった時代は、企業を潰さないという安全装置も社会政策として意義はあったかと思いますが、いまは経済に雇用吸収力が出てきて政策的ウィンドウが開いているのだから、本来の市場経済の機能を活用したら良い。

原田:かつては低生産性部門でも残さざるを得なかったのは失業者問題があったから。いまはそういう問題が解消されつつあるのだから、無理に企業を残さなくても、生産性の高い企業が残ればそれこそが成長戦略になる。
 何かやるのが成長戦略ではなく、やめること、やらないことが成長戦略だということですね。

アベノミクスでチャンスが訪れた

編:なぜいま雇用吸収力が出てきたのでしょうか。人口論なのか金融緩和なのかどちらでしょうか。

原田:両方ありますが、重要なのはアベノミクスでしょう。人口構成の変化から長期的には人手不足になる可能性があった。過去20年間、一部の規制部門では起きていたが、全体では起きていなかった。いま全体に広がりつつあるのはアベノミクス効果です。

冨山:アベノミクスは第1の矢、第2の矢まで素晴らしかったと思います。デフレ経済は低血圧のようなものでしたから。それを目覚めさせて本来の力に引き上げ、需給ギャップが埋まってきました。でも、第3の矢になったときに、先祖返りした印象があります。


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