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労働運動

731とはずがたり:2013/06/04(火) 17:28:50

この問いに対して、
「ゆとり教育の影響で、若手社員は保守的。だから、そうそう転職はしないだろう」
という声をよく聞きます。が、つい5〜6年前の若手社員の転職志向について、振り返ってみてください。当時は、
《若者が3年で辞めること》
が社会問題として注目された時期。城繁幸氏が書いた『若者はなぜ3年で辞めるのか?』がベストセラーになりました。厚生労働省が発表した統計データ(2009年)によると、大学を卒業後、就職した若者のうち、3年以内に会社を辞めた人が約3割。

その当時は学生時代に夢見た職場が現実と違うと感じたら…転職するのも当たり前。こうした再挑戦を目指す転職が《リベンジ転職》というキーワードで話題になりました。それからわずか5〜6年後に、若手の志向が180度変わってしまうものなのでしょうか?

ちなみに厚生労働省の発表によると学校を卒業し企業に就職したあとで3年以内に辞める若者の離職率が高水準であったのは1995年ごろから約10年余り。ところが離職率は2004年ごろから減少傾向になってきたようです。

それを裏付けるように、リクルート社の「就職プロセス調査『望む働き方』」によると「できれば新卒で入社した会社にずっと勤めたい」と考える新入社員が2006年から急増しています。2005年入社組では、その傾向が長い間50%前後で推移していたのが翌年から上昇を続けて、現在では約80%と高い数字になっています。

…当時、そんなリベンジ転職する若手社員たちと、当方はたくさん接触する機会がありました。リクルート社のグループ会社で人材紹介事業にかかわり、たとえば
「総合商社に行きたかった夢をあきらめきれません」
と、入社3年目までの若手社員が、可能性を求めて転職する光景が当たり前のようにありました。企業からは『ポテンシャル採用』と呼ばれるジャンルで、
「potential=可能性がある、潜在的な」
つまり、その人材が入社してからどれだけ伸びるか、どのような潜在能力を持っているかという可能性を見極め、将来的な活躍を期待しての採用。スキルや実務経験(職務経歴)が問われる一般的な転職=キャリア採用とは異なり、コミュニケーション能力(あるいはリーダーシップ)、社会的常識が重視される採用方式です。そのため、学生時代をどう過ごしてきたか、対人・交友関係はどうであるか、仕事への情熱はどの程度かといったことが選考ポイントで重視されます。

ポテンシャル採用再開に、若手社員は…

そんなポテンシャル採用はリーマンショック以降、壊滅的に減りました。通常の新卒採用とキャリア採用で十分だったからです。ところがアベノミクスで景気が徐々に回復基調になると、ポテンシャル採用を再開する企業が増えてきました。企業の人事部に取材すると、

「若手社員の人材不足に陥って、ポテンシャル採用を再開しました」

と採用背景を教えてくれます。新卒採用は景気が多少悪くなっても減らさない企業が多い中で、ポテンシャル採用は景気連動で、採用数が大幅に変わります。それだけ、景気回復が確実になってきたことを示しているのでしょう。

求人サイトを見ると、ポテンシャル採用という言葉をよく見かけます。金融機関や総合商社、メーカーなど人気の大企業の社名がずらりと並んでいます。そんな魅力的な求人は2年前にはお目にかかれませんでした。では、若手社員はキャリアを見出すチャンスととらえて転職を考えるのか、保守的な終身雇用の発想は変わるのでしょうか? そこで、当方が仕事や取材で接する若手社員たちに
「再開したポテンシャル採用の求人に対して関心があるか?」
を聞いてみると、想定以上に保守的な回答が返ってきました。まさに、石橋をたたいて渡るがごとく慎重な発想。


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