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労働運動

721とはずがたり:2013/03/12(火) 19:07:43
>>720-721
離職率の高さが意味するもの

さて、その一方、3年で半数、5年で8割超といった離職率は何を意味するのだろうか。これには、島田裕巳氏が「誰がユニクロを「ブラック企業」にさせたのか」で主張するような、店舗運営には高度のスキルが必要であり、店舗運営に向かない人材が脱落してゆく、と見る見解もあるようだが、この見方は正しくない。

なぜなら、仮に島田氏の主張が正しいとするならば、高い離職率は、大部分の店舗は、店舗運営に向かない店長が運営していることを意味するからである。 これでは企業として成り立たないはずである。実際、店舗を訪れた実感として、そのような事実は認められない。 

論理的に考えれば、ユニクロの高い離職率の意味するものは、店長の仕事が、著しく規格化されているために、簡単に代替可能である、ということだ。つまり店長は、独立自尊の商売人、知識労働者ではなく、非常に厳しく規格化された部品なのだ。

実際、ユニクロの店長の仕事が、普通の洋品店の店長と異なるのは、仕入れ(しかも仕入れる商品はユニクロのものだけだ)、人件費の管理、広告などの仕事は、大部分、本部が決定している、という点にあり、そもそも独立自尊の商売人としてのスキルを身に付けるのは極めて難しいだろう。  店長を辞めた人には、大したスキルは残らないと思われる。 

「ベテラン社員が語る、ブラック企業・ユニクロが現場にサービス残業&うつ病を強いる実態」を見ると、ユニクロが如何に熱心に人件費カットを行っているかが、分かるが、正直言って、店舗職員には、気の毒な状態のようだ。

労働の二極化に沿った採用すればよい

私が問題にしているのは、ユニクロの企業イメージと実態の乖離で、ユニクロのシステムを批判しようというのではない。 

高いスキルを持った一握りの人たちに高給を支払う一方、大部分の仕事はマニュアル化され機械化され、IT化されて価値が低くなり、その結果、大部分の低スキルの仕事が、低賃金に甘んじるのは、仕方のないことである。  

私の言いたいことは、労働が二極化しているのだから、それならそれで、就活生に「世界一へ、グローバルリーダー募集」などという実態と乖離したプロパガンダを掲げることを止めて、「グローバルリーダーは(新卒でなくても中途採用でもいいので)、別途採用します」という方が正直で良いのではないか、ということだ。

そもそも、決められたマニュアル通りに働く人材が欲しいのであれば、何も大学を出ていなくても構わないわけであるし、厳しい労働に耐えられる体力と精神力、低賃金でも文句を言わない従順さを持った人材を、選ぶ方法はいくらでもあるだろう。

マニュアル労働の末、大したスキルも身に付けられずに、大量の若者を離職させることは、社会的損失も大きい、私が言いたいのはそれだけだ。  

(辻 元)
最終更新:3月11日(月)11時43分


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