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労働運動

637とはずがたり:2009/12/23(水) 13:49:27
【記者想走09】日系ブラジル人の派遣切り
http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000000912210004
2009年12月21日

取材に行くたびに温かく迎えてくれた国吉マルセロさん、文子さん夫妻と子どもたち=小松市向本折町

◆描けぬ共生の青写真◆

 歴史的な「政権交代」が実現した夏の総選挙。候補者らが舌戦を繰り広げる中、「派遣切り」で職を失い、思いを1票に託すこともできない日系ブラジル人家族に出会った。日系2世の国吉マルセロさん(35)。派遣先の鉄鋼会社を解雇され、小松市の国際交流協会などで働く妻の文子さん(30)の収入を頼りに、長男(11)と長女(2)との4人家族で暮らしていた。

 製造業などの工場が集まる小松市内には90年代、人手不足を背景に多くの日系ブラジル人労働者が流入。しかし、昨秋からの雇用情勢の悪化で突然、企業の人員削減の矢面に立たされた。職や住まいを追われ、国へ帰る人もいた。

 民主党は総選挙のマニフェストで製造業への派遣原則禁止を明記し、外国人への参政権付与も基本政策にしている。でも、選挙の話をするとマルセロさんは困ったような顔で笑った。「日本人が大変な時に、誰もガイジンのことなんて考えないよ」

 彼らの感じている疎外感を突きつけられた気がして、返す言葉がなかった。でも、砂糖入りのコーヒーで明るくもてなしてくれた彼らの優しさに応えたくて、取材を重ね、記事を書いた。

 それから3カ月ほどがたった12月の土曜日、再び家を訪ねた私に文子さんが「夫は埼玉県に単身赴任中です。仕事が見つかって」と話してくれた。それを聞いたときは、うれしかった。知人の紹介で雇われた工場で、溶接工として働いているという。

 でも文子さんの表情は晴れない。「アルバイトだから、いつまた切られるか分からない」。用が無ければ解雇され路頭に迷う「非正規雇用」の現実。幼い長女が声を上げてはしゃぐ温かい居間と、背中合わせに存在する冷たい社会を思い、背筋が寒くなった。

 ブラジルへの帰国は考えていない。子どもたちはほとんどポルトガル語を話せないし、数年前に関東に家も買った。「ブラジル人の友人も多くて、困ったらお互い支え合っていますから」。文子さんは前向きだ。でも、この国で生きていこうと決めた「外国人」にどう向き合っていくのか、日本の政治も社会も、まだ青写真を描けていない。

 話を終えようとした時、ちょうど玄関のドアが開き、マルセロさんの顔がのぞいた。週末は子どもたちに会いに小松に戻るのだ。うれしそうに寄り添う子どもたち。立ち上がってコーヒーをいれ始める文子さん。この家族が直面する社会の非情な一面から、目を反らしてはいけない。自分に言い聞かせるように、穏やかなその瞬間を胸に焼きつけた。

(加藤藍子)


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