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労働運動
520
:
チバQ
:2009/08/30(日) 12:42:14
http://www.chugoku-np.co.jp/senkyo/syuin/09/News/hiroshima/Sh09082904.html
元派遣、苦渋の生活保護 広がる困窮 '09/8/29
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▽年金未納最悪、増す社会不安
また、履歴書が送り返されてきた。「この前は、これも…」。広島市安佐北区のアパートに1人で暮らす男性(40)は、ごみ袋からA4判の紙を引っ張り出した。「ご期待に応えられず申し訳ありませんが、あしからず」。横書きで7行。不採用通知だった。
7月末、初めて生活保護を受け始めた。4畳半と6畳2間の片隅に無料の求人情報誌が数冊。「問い合わせると、もう決まったと言われることが多い」。職を失って8カ月がたった。
■120万世帯超す
県北の高校を卒業して倉庫会社に就職したが、職場が閉鎖になった。その後、製造業の2社に勤めた。交通事故にあった弟を、祖母の介護に忙しい両親に代わって看病するため退職。2006年9月から、派遣社員として自動車部品工場で働いた。昨年12月、契約を打ち切られた。
「不況だから仕方ない」。そう思い、就職先を探した。雇用保険の給付期限は150日間。6月、収入は途絶えた。
生活保護で受け取るのは月11万940円。派遣社員時代の給料のほぼ半分だ。「人一倍働く自信はある。でも仕事がない」
雇用の悪化とともに生活保護世帯が急増している。厚生労働省によると、4月の全国の被保護世帯は初めて120万を超えた。中国地方でも増加は止まらない。広島市では同月、1万4358世帯に達した。10年前のほぼ2倍だ。
2年前、広島市の新規受給世帯のうち、失業を理由に挙げたのは全体の5・4%。本年度は7月現在で、13・7%に拡大した。
「失業が生活保護に直結している。今の雇用情勢では増加に歯止めがかからない」と、市の林義雄保護担当課長。国の負担分を合わせた08年度の保護費支出見込み額は約315億円。5年前に比べ、約2割増えた。
■悪循環も想定
国民年金保険料を払えない、または払わない人も増えている。08年度の未納率は過去最悪の37・9%。とりわけ、若年層の25〜29歳は50・6%に上った。安佐北区の男性も失業してから、国民健康保険料も国民年金保険料も払っていない。
雇用の悪化は生活の困窮を招き、未納者を増やす。将来、無年金や低年金になれば、生活保護を受けざるを得なくなる人も出る―。そんな悪循環も想定される。
非正規労働者の年金・労働相談を受けている社会保険労務士の飯田ひとみさん=安佐南区=は「雇用を生み、働く人すべてが社会保険に加入できる体制を整えなければ、社会不安はさらに膨らむ」と警鐘を鳴らす。
国は28日、7月の全国の完全失業率(季節調整値)は5・7%、同じく有効求人倍率(同)は0・42倍と発表した。それぞれ過去最悪、過去最低を記録した。
男性は8月だけで製造業や警備会社の4社から不採用通知を受けた。「働けないなんて世間に申し訳ない」。やりきれなさに、戻ってきた履歴書を破って捨てた。(武内宏介、木ノ元陽子)
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