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労働運動

2464OS5:2023/01/27(金) 09:38:14
希望退職者に対する条件が魅力的だった
 前田雄三さん(仮名・60代)は、国際的にも認知度が高く、会社名を聞けば誰でも分かる企業に勤めていた。

「私が50代の頃、社員の平均年齢を上げている40代・50代の社員数を減らすべく、インセンティブつきで希望退職者の募集が開始されました」

 それは退職金の割増、会社による再就職先の斡旋・紹介、決定するまでの待機期間中の給与を全額支給するなど、社員が手をあげたくなるような魅力的な条件だった。 

「当時、次長だった私は、『この先、会社にぶら下がっていても、私の先行きは必ずしも明るくはない。これ以上の出世は見込めないだろう』と考えました。そこで、『これはグッド・タイミングだ』と応募することにしたんです」

 次長の次は、副部長、部長、副本部長、本部長、取締役、常務、専務、副社長、社長、副会長、会長……前田さんは「まだまだほど遠い」と感じていたそうだ。

退職金でローン返済「肩の荷が下りた」
「確かに私にとっては良い条件でした。割増退職金で自宅の住宅ローンの残債も完済でき、『やった!これでローンの重しがなくなった!肩の荷が下りた!』と有頂天でした」

 再就職先も、勤めていた会社の子会社である人材斡旋会社。役職は管理職に決まったという。前田さんは、決意新たに再就職先へと乗り込んだ。しかし……。

「人材を斡旋する企業にもかかわらず、自ら派遣先の企業を発掘し、その企業が求める適切な人材もまた、自ら探し出さなければならない仕組みになっていました。もちろん、斡旋事業を成立させればインセンティブがもらえることにはなっていますが、実際には容易ではありませんでした」

 前田さんは、転職して1年が経過しても実績は“ゼロ”だったそうだ。

最終手段は、中小企業に自らを売り込むこと
 有能な人材を発掘しようと、もともと勤めていた企業に目をつけたという。元上司や同僚、部下を人材候補者として漁ったのだが、うまくいかず徒労したと話す。

「私は、最後の手段をとることにしました。それは、自分自身を売り込むことでした。つまり、とある中小企業から『大企業で活躍してきた人材がほしい』との要望があり、私自身がその企業に再就職することにしたんです」

 すると、その企業からは「まだまだ現役バリバリの人材を獲得できた」と満足してもらえたという。

 そこにも、管理職の立場で入社した前田さんだったが、中小企業の現実を目の当たりにすることとなる。

「書類のコピーを部下にお願いしようと『誰か、コピー取ってくれる?』と室内の誰ともなく叫ぶと、全く返事する者はいません。再度『コピー!』と叫びました。すると、『ここでは、みんな自分でやるんだよ』と上司の一言。私は、『えっ!』とのけ反りました」

 また、「これ、社長に持っていってぇ」と言っても誰も反応してくれなかったようだ。前職が大企業だった前田さんにとっては、この環境に慣れるまで時間がかかったという。「これが中小企業だ」「これが現実だ」と前職との違いを実感しつつも、「徐々に受け入れていった」と前田さん。

 早期退職する場合は、しっかりと先々を考えておくべきだろう。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
ライター歴5年目。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。Instagram:@chimi86.insta

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