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労働運動
2208
:
チバQ
:2021/01/07(木) 20:35:34
■落ち込みが大きかったのは「宿泊業」「飲食店」「娯楽業」
しかし、産業別に見ると影響の大きかった業種もあれば、影響が小さかった業種もある。
延週間就業時間の落ち込みが5割前後と大きかったのは「宿泊業」「飲食店」「娯楽業」などである。これは、上で見た家計支出の動きとも対応している。そして、年末にかけて「飲食店」「娯楽業」では落ち込み幅が縮小する傾向にあった。
「製造業」や「卸・小売業」はこれら3業種と比較すると、最大の落ち込み幅が1割前後と比較的小さいが、全体の推移は、似たパターンである。
「農林業」「医療業」「公務」などは就業時間の面ではあまりコロナの影響は認められない。医療では受診控えがあっても診療を休むわけには行かず、また、感染症対応の医療分野ではむしろ忙しくなっているためと考えられる。
一方、コロナの影響でむしろ仕事が増えている業種の典型としては「通信業」が挙げられる。リモートワークやオンライン会議・授業、インターネット販売への対応として出番が多くなったためであろう。
■女性の非正規雇用者の失職が目立って増えた
こうした仕事への大きな影響により失職した者も多い。最後に、どのような者が職を失ったのかを見てみよう。
労働力調査では正規・非正規別、年齢別の雇用者数を集計している。ここでは、過去1年間の雇用者数の増減を2018〜19年は年単位、2020年は四半期別に掲げた(図表5参照)。
2010年代の前半までは若者を中心に正規雇用者が減少する一方で非正規雇用者が増え、非正規比率の上昇が目立っていたが、2018〜19年には、状況は変化し、高齢化に伴う労働力不足の展望から若年層を含めて正規雇用者が非正規雇用者と同じように増加する傾向となっていた。そして、非正規雇用者の増加の中心は定年後再雇用などによる65歳以上の高齢就業者が中心を占めるようになっていた。
2020年に入り、コロナの感染拡大がはじまって以降、こうした状況は大きく変貌を遂げた。
正規雇用者は相変わらず拡大を継続する一方で、非正規雇用者が急減し始めたのである。非正規雇用者の男女・年齢別の内訳に着目すると、女性の若年層や中年層が、特に、大きく減少している点が目立っている。
上(図表4)で見たように、仕事が大きく縮小した業種は「宿泊業」「飲食店」「娯楽業」などであるが、こうした業種には女性の非正規雇用者が多いことが、女性の非正規雇用者の急減の要因となっている。
■「正規」を増やす一方、パート・アルバイトなどの「非正規」をクビに
また、非正規の減少は、正規を増やし続けているからという側面も見逃せない。
正規が増え続け、非正規のみが減っているのは、コロナの影響による労働需要の減少に対して、パート、アルバイトなどの非正規雇用を大きく整理し、正規雇用者はむしろ残したり増やしたりして現状または将来の労力不足に備えるという行動を企業がとっているからではないかと想像される。
政府は、経営が悪化した企業に対する雇用を維持するための「雇用調整助成金」について、新型コロナウイルスの影響を受けた企業への特例措置として、ひとり1日当たり8330円の助成金の上限額を1万5000円に、従業員に支払った休業手当などの助成率を、大企業は50%から75%、中小企業は3分の2から100%にそれぞれ引き上げているが、正規雇用の増については、こうした措置の影響もあろう。特例措置は、パートやアルバイトなど雇用保険に入っていない人を休業させた場合も対象となるが、やはり、非正規より正規の雇用維持につながっているのではないかと考えられる。
こうした動きの結果、少なくとも2020年の年平均では非正規雇用比率はリーマンショックの時のようにかなり低下するものと見込まれる。高齢化に伴う今後の労働力不足を踏まえると、この低下は一時的なものにとどまらない可能性が高い。
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本川 裕(ほんかわ・ゆたか)
統計探偵/統計データ分析家
1951年神奈川県生まれ。東京大学農学部農業経済学科、同大学院出身。財団法人国民経済研究協会常務理事研究部長を経て、アルファ社会科学株式会社主席研究員。「社会実情データ図録」サイト主宰。シンクタンクで多くの分野の調査研究に従事。現在は、インターネット・サイトを運営しながら、地域調査等に従事。著作は、『統計データはおもしろい!』(技術評論社 2010年)、『なぜ、男子は突然、草食化したのか――統計データが解き明かす日本の変化』(日経新聞出版社 2019年)など。
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統計探偵/統計データ分析家 本川 裕
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