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労働運動

2013チバQ:2019/10/11(金) 15:09:32
https://digital.asahi.com/articles/ASM9W5786M9WUTIL027.html?rm=190
福岡、なぜ栃木より低い? 最賃の格差、広がるからくり
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土屋亮 2019年10月9日18時00分
 2019年度の最低賃金(最賃)が今月から適用された。4年続けて全国平均で約3%アップし、東京都と神奈川県は1千円を超えたが、地方の水準はまだ低い。なぜ底上げが進まないのだろう。

 最賃841円と全国平均(901円)より60円低い福岡県。福岡市近郊のスーパーで、最賃をわずかに上回る基本給で働く男性(30)はため息をついた。「貯金ができず、いつも何かに追われている不安があります」

 ログイン前の続きスーパーの手取りは毎月約10万円。家賃や車のローンと保険料、携帯料金などを支払うと赤字になってしまう。このため、毎週土日は深夜にガソリンスタンドのアルバイトをして約5万円を稼ぎ、やりくりしている。

 「福岡市は大きな街で、物価もそれなりに高い。それなのに首都圏や関西圏だけでなく、栃木や長野、広島などより最賃が低い。損をしているような気がします」

 最賃はパートやアルバイトを含むすべての働き手に適用される時給の下限額で、毎年度改められる。国の審議会が示した目安をもとに都道府県の審議会が決定し、毎年10月から切り替わる慣例になっている。各審議会には企業側、労働者側、有識者の代表が入る。

 個人消費を増やしたい安倍政権は15年、最賃を年3%程度引き上げて「全国平均1千円」をめざすと表明。審議会はこれに後押しされ、翌16年度からは全国平均で25円以上の引き上げが続く。

 しかし、東京都や神奈川県が1千円を超えた一方、700円台がまだ17県あり、最高の地域と最低の地域の金額差は、00年代前半と比べて2倍以上になっている。

 都会に比べて地方はお金がかからないという見方はあるが、労働組合の全国組織・全国労働組合総連合が組合員の最低限の生活費を調べたところ、25歳の単身者の場合、さいたま市と新潟市がともに月約24万円など、都市部と地方で大きな差はなかったという。

 黒沢幸一事務局次長は「地方は、住居費は都市部より安いが、生活に不可欠なマイカーの維持費が全体を押し上げている」と説明する。

 一方で地方の最賃の底上げのために「最賃の全国一律化」にも注目が集まっている。先の参院選では国民民主党や共産党、れいわ新選組などが公約に掲げ、1千円や1500円などをめざすとした。

 自民党も2月、有志が一律化をめざす議員連盟をつくり、現状は若者や外国人労働者の都市部への集中を助長していると主張している。事務局長の務台俊介衆院議員は「主要国の大半は全国一律にしている」と言う。

 一律化への機運は高まっているように見えるが、肝心の政府は慎重だ。その姿勢は参院選前の3月に垣間見えていた。「全国一律にするのはすごく重要な課題だ」。自民の議員連盟の会合に呼ばれた厚生労働省の担当課長が前向きな発言をすると、菅義偉官房長官がすぐさま「検討の事実はない」と打ち消した。その後、課長は交代し、同省関係者によると「今は静観状態」という。

 なぜ慎重なのか。大きな理由は自民党の支持層と重なる地方の中小企業の反発が強いことだ。関係団体は企業経営を圧迫するとして、「断固反対」(全国商工会連合会)と猛反発している。賛成派の論客で元金融アナリストのデービッド・アトキンソン氏は「打撃を受けるのは生産性が低く、低賃金でしか人を雇えない一部の企業」と話すが、制度を変えようとすれば、混乱を招き、火種になりかねない。

 そもそも、最賃の格差が拡大するのには制度面の理由もある。国の審議会は都道府県を経済規模からA〜Dにランク分けし、それぞれに引き上げの目安を示す仕組みをとっている。ここ4年続く全国平均で約3%の引き上げでも、労働者の数を加味して計算するため、人口の多いAランクの上げ幅が重視され、格差拡大に拍車がかかりやすい。

 最賃制度に詳しい鳥取大学の藤田安一名誉教授(公共政策学)は「今の最賃は政府のトップダウンでデフレ脱却を演出してみせる側面が強い。ランク分けされていて格差を広げがちな制度の変更こそ検討すべきではないか」と話す。(土屋亮)


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