[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
1001-
1101-
1201-
1301-
1401-
1501-
1601-
1701-
1801-
1901-
2001-
2101-
2201-
2301-
2401-
2501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
労働運動
2011
:
名無しさん
:2019/10/11(金) 10:12:30
そうした状態が1カ月半ほど続き、その後に誌面で「お詫び」するに至る。それだけではない。同記事の執筆者・小林峻一の自宅に何者かが侵入し、JR東関連の資料や名刺などが盗み出される事件まで起きる。かくしてJR東日本の労組問題はタブーになる。
そのタブーに挑んだのが西岡である。西岡は神戸新聞の記者から雑誌『噂の真相』へと転職し、以降『週刊文春』『週刊現代』で専属記者をつとめるのだが、文春を辞めて現代に移ったのはこれを書くためであった(『マングローブ』の「プロローグ」に詳しく書かれている)。
ここで西岡は、JR東日本内における革マルと松崎による支配の実態を書いただけではなかった。登記簿謄本をあらい、松崎のファミリー企業をあぶり出すことで、その公私混同ぶりを白日の下にさらすのであった。
登記簿謄本、ファミリー企業……それは立花隆が月刊『文藝春秋』に書いた「田中角栄研究」と重なりもする。新聞やテレビの記者たちは立花に対して「そんなことは昔から知っていた」とうそぶいた。しかし誰もやらないことであった。
新聞・テレビなど、よそがやらないことをやる。これが雑誌ジャーナリズムであり、西岡の連載記事はその調査報道の本流であったといえる。
この連載に対しては、JR東は電車内の中吊り広告の掲載拒否、労組関係からはSLAPP訴訟(威圧訴訟)が起きる。しかし『週刊現代』はそんなことには動じなかった。なにしろ前年、溝口敦による連載「細木数子魔女の履歴書」に対して、暴力団幹部が連載を中止するよう圧力をかけると、それをそのまま記事にしたくらいである。
また2007年に始まる武田頼政による大相撲八百長疑惑の追及は、これも「誰もが知ってる」が新聞・テレビが取り上げられない問題で、その後の角界騒動につながっていく。
今でこそ高齢者SEX路線だが、『週刊現代』が世をにぎわせる時代があったのだ。くだんの西岡連載をまとめた『マングローブ』はその輝ける時代のモニュメントである。
■「ウザい」に敗れた労働運動
それから12年。その間に松崎は死去(2010年)し、雑誌記者からフリーランスのライターとなった西岡は『トラジャ』を著す。本書は、JRに入り込んだ革マルの実態、革マル本体とJR革マルの対立、上述のJR東労組の大量脱退やJR北海道の惨状を書く。そして『トラジャ』は長きにわたる組織vs.組織の抗争、それを平成の「会社員」気質が打ち負かしていくドキュメントでもある。
この組織vs.組織の抗争、それはいかなるものであったか。
「悪天候の中、メンツで山登りするのは愚か者」、松崎は組織防衛の戦術をこう言い表した。
国鉄解体・分割民営化に抵抗した国労と違い、松崎はそれに反対せず、逆に国鉄改革派と手を結んで国労潰しに加わり、そうすることでJR誕生後、JR東で最大の労組の座を勝ち取る。見事な戦略である。それどころか経営層の者まで取り込み、人事に介入し、「JR東労組ニアラザレバ社員ニアラズ」にまでなる。
対して、JR東はどうか。1度は松崎に取り込まれながらも、アメ玉を食わせて牙がなくなる日をじっと待つ。なんという長期戦だろうか。池井戸潤の小説にはない時間軸の闘いである。
そうしたなか、JRの他社から「東のエース」と言われるほどの人物でありながら支社勤めが長く、出世の遅い人物がいた。会社がその人物を「『来るべき労政転換の日』のために、(略)『切り札』として支店に温存していた」といわれれている。それが冨田哲郎、2018年のJR東労組大量脱退の際の社長(現会長)であった。
しかし、この長期にわたる組織vs.組織の勝敗を決定づけたのは、JR東の経営層の戦術そのものによってではなかった。「平成」という時代が生んだ気質に、JR東労組は敗れるのである。
労組決壊の絵図を描いたのは平成入社の社員たちである。彼らは「数年前から、組合に対する攻勢を強め、彼らが“ハネる”機会をうかがっていた」。そしてJR東労組がストライキの実施を通告すると、予想どおり、組合員たちの多くは組合を見捨てるようにして去っていく。「今どき自分たちの要求が通らないからと言って『ストを打つ』などという時代錯誤ぶりにはうんざりしました」と言って。
その昔、学生運動が盛んだった季節の後に「しらけ世代」が現れた。しかし、ここにあるのは「しらける」どころか、強く嫌う感情だ。それを端的に表すものが、本書の終盤で西岡が取材した別の社員の言葉のなかにある。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板