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労働運動

1889チバQ:2018/11/19(月) 18:36:53
別の農家の男性は話す。そしてこう続ける。

 「だからこそ、新しい制度では逃亡をもっと厳しい罰則にしてほしい。実習生も、逃げ通せば、稼げるんだよね? それでまた、逃げた実習生を働かせて、もうけている人がいるんでしょ。これじゃ、永良部は日本への入り口ってことで利用されてるだけだ」

 この農家の男性は、1人の実習生を入れるために、渡航費や初期研修費など数十万を払っている。3年間、働いてもらう予定で作業計画をたてているのに、失踪されるとその「投資」は無駄になる上、一定期間、次の研修生を入れることができない。

 私は、実習生問題を取材してきた中で、「実習生には職場を変わる自由は当然にあるべきだ」と思っていた。それだけに「移動の自由」という権利を制限してほしいと望まざるをえない農家に何人か会ううち、その言い分に衝撃を受けつつ、考え込んでしまった。

「日本の子だって無理なんだから」
 農業がやりたくて島に来て、地元の農家男性と結婚した大阪出身の20代の女性は言う。

 「逃げる気持ちは分かる。日本の子だって無理なんだから。もし都会より高い時給だったとしても、休日の遊び方も全然違う。島だと車がないとどこにも行けなくて、携帯いじるぐらいしかすることがない。よほど島が好きじゃないと、日本語を勉強する意欲も湧かないと思う」

 別の農家の男性は 「そりゃあの子たちも、お金のいいところに行きたいだろう」と、外国から来た若者たちへの同情を示しつつ、「時給を上げれば人が来るかって? 時給千円にしたら経営が成り立たないし、そんな仕事があれば自分が雇われたい」と言った。

 東日本大震災後は赤字が続き、昨年久しぶりに黒字になった。でも花の需要は景気に左右され、外国産地との競争もある。

 「ここは離島だ。ガソリンは高いし、どこに行くにも飛行機代がかかる。病院は遠い、学校も少ない。本州と、島の生産性は違う。高い給料を払えないのは我々経営者の問題かもしれないけど、格差が是正されないままでどうしたらいいのか」

外国人入れれば「人手不足解消」か
 実習生の失踪は、必ずしも酷い低賃金や待遇が原因とは限らない。この制度の問題の根深さの一つだ。

 実習生に逃げられたある花農家の待遇は、日中は最低賃金、残業代は最低賃金の1.25倍、休日出勤は最低賃金の1.35倍を支払っていた。住まいは風呂トイレ共用の4畳半の個室で、有休休暇もあった。

 奴隷でない以上、選ぶ権利や移動の自由は確保されていく。現場では、国際貢献や技術移転は建前だとみんな知っている。

 できるだけ最低賃金で、かつ熱心で素直に働く労働力を求める側と、できるだけ稼いで可能なら余暇も充実させたい実習生。新しい在留資格が議論されているが、島に期待はない。島が、働き先として選ばれる保証はないからだ。若い日本人たちも定住しない。すべての過疎地に共通する不安だろう。

 働き手を留められる時給を払えば、たちまち経営が苦しくなる地場産業は少なくない。国を挙げて最優先で取り組むべきなのは、地域格差の解消や新たな産業創出ではないのか。

 それをせず安直に外国人労働者を入れれば、地域間格差は一層広がる。政府は「外国人労働者を入れれば『人手不足』が解消され問題解決」という幻想を、ふりまいていないだろうか。

 沖永良部の人たちは、「外国人材の受け入れ」という熱狂とはほど遠い、あきらめの中にいるように見えた。

◇ ◇ ◇

【#となりの外国人】
この記事はwithnewsとYahoo!ニュースによる連携企画記事です。日本で働き、学ぶ「外国人」は増えています。近くで暮らしているのに、よくわからない。withnewsでは「外国人」の暮らしぶりや本音に迫る企画を始めました。ツイッター(@withnewsjp)などでも発信します。みなさんの「#となりの外国人」のことも聞かせてください。


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