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労働運動

1852とはずがたり:2018/10/10(水) 10:12:15
>>1850-1852
これはロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットンも指摘していることですが、私たちは長いこと3ステージモデルに慣れ親しんでいるため、どうしても60歳程度で引退し、80歳程度で亡くなるということを前提にして考えてしまいがちです。だからこそ「四十代後半で多くの人がゲームオーバーになる」という現在の慣習について、消極的ながらも受け入れている。しかし、多くの識者が指摘しているとおり、私たちの寿命は長期的な伸長傾向にあり、近い将来、多くの人が100歳まで生きることになる。加えて、現在では年金制度の破綻がほぼ明確になっているなか、多くの人が引退年齢をこれまでよりずっとあとに送らなければならない状況が生まれます。
『ライフ・シフト』の共著者である経済学者のアンドリュー・スコットは、100歳まで生きる時代になると、引退後の蓄えを作るために、ほとんどの人が80歳まで働かなければならなくなる、と指摘しています。

■「劣化したオッサン」を生み出す罪作りなシステム
さて、この「4ステージモデル」を現在の日本企業の人事慣行と照らし合わせて考えてみれば、これからいよいよ人間的に成熟し、社会に対して実りを返していくというのが「秋=サードステージ」であるにもかかわらず、このステージでイキイキと活躍できる人は、ごくごく少数しかいないということになります。これは国家的な資源の浪費と考えられます。
さらに指摘をすれば、このようなモデルを続ければ、本来は「仕込みの時期」として重要なセカンドステージが、極めて熾烈な「生き残り競争」のステージになってしまう、という問題があります。
サードステージで輝けばいい、と思えばこそ、その前段となるセカンドステージでは、いろいろな体験にチャレンジし、自分はなにが得意なのか、なにをしているときにワクワクするのかを理解し、いわば「自分の取説」をちゃんとまとめる余裕もできる。しかし、40代の後半でゲームの決着がついてしまうということになれば、「様々なことにトライして失敗する」だの「様々な分野の知識を吸収する」だのとは言っていられず、とにかく目の前にいる上司から与えられた仕事を、その仕事の社会的意義や道徳的な是非など問うことなく、しゃかりきになって奴隷のようにこなすしかないでしょう。
これが、結局のところ教養も道徳観もない「劣化したオッサン」を生み出している要因なのだとすれば、極めて罪作りなシステムを運営しているというしかありません。
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山口 周(やまぐち・しゅう)

コーン・フェリー・ヘイグループ シニア クライアント パートナー

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン コンサルティング・グループ等を経て、コーン・フェリー・ヘイグループに参画。
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(コンサルタント 山口 周)


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