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労働運動

1660とはずがたり:2018/02/27(火) 15:54:29
>>1659-1660
 (4)定年再雇用後の嘱託社員は、どうでしょう。今でも、65歳までは、企業に継続雇用が義務化(猶予期間あり)されています。その上で、政府は65歳超の人材も雇用するよう、企業に働きかけています。法制化までは至っていませんが、助成金などの促進策を積極化させています。65歳以降も雇用継続可能な会社の場合、65歳時点で再度、賃金水準の引き下げを行うケースが少なくありません。体力的にも業務量などを見直すタイミングであることと、本人も年金が満額支給となるため、労使ともに納得しやすいからです。

 すると、「60歳までの嘱託社員」に加え、「65歳以降の嘱託社員」の雇用制度も考えないといけません。賃金だけでなく、雇用上限年齢をどのように設定するか、といった内容です。

 (5)派遣社員は、さらにややこしい問題が発生します。派遣社員との雇用関係は、A社ではなく、派遣会社です。従って、無期転換については、派遣会社が対応すべきことです。ところが、派遣されている人が、派遣会社と無期契約を結んでいるのか否かによって、A社にも大きな影響があるのです。

 労働者派遣法の改正により、同じ人を、1つの会社の同じ部署に派遣できる期間は、3年が限度となりました。その最初の期限が、2018年9月末に迫っています。ただし、派遣会社に無期雇用されている場合には、この3年ルールの適用が除外されています。それなら、無期雇用されている派遣社員のほうが良さそうに思えますが、一概にそうとは言えません。無期雇用に伴うコストやリスクは派遣会社が追うことになるため、派遣先企業に対して、派遣料の値上げを要請するケースが増えているのです。

 いずれにせよ、派遣社員についても「有期契約の派遣社員」と「無期契約の派遣社員」が発生するのです。

■働き方改革関連法案のゆくえは

 以上、A社の人事担当者としては、もともと5種類の雇用形態を、

(1)正社員
(2)限定正社員
(3)無期契約のフルタイム契約社員
(4)有期契約のフルタイム契約社員
(5)無期契約のパート社員
(6)有期契約のパート社員
(7)65歳までの嘱託社員
(8)65歳以降の嘱託社員
(9)有期契約の派遣社員
(10)無期契約の派遣社員

 と10種類に分けて、制度設計や雇用管理をしなければならなくなりました。

 まさに、10人の話を同時に聞くことができたという、聖徳太子のような対応が求められることになったのです。

 加えて、2017年秋の解散総選挙により、臨時国会で成立するはずだった、働き方改革関連法案の審議も今年にずれ込むことになりました。この中に、正社員と非正規社員の待遇格差を是正する、いわゆる「同一労働同一賃金」に関する法案も含まれています。この法案の行方も、人事担当者にとっては、頭の痛い問題です。

 有期社員を無期転換するのはいいけれど、次に正社員との待遇格差の是正や、待遇格差を正当化できる根拠の整備が必要となりそうだからです。

 現場からは人手不足の改善を要求される半面、法的には複雑な対応が求められる。人事部門にとっては、受難の年を迎えたと言えるのではないでしょうか。

新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口 俊一 写真=iStock.com


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