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労働運動

1655チバQ:2018/02/18(日) 13:01:52
◇出会いの少ない派遣女子と「稼げない」非正規男子

 ただし、非正規といってもひとくくりにはできない。小塩さんは「表現が適切かどうかわかりませんが」と断ったうえで、「女性の場合、ライフコースは人によってさまざま。正社員、あるいは高収入男性と結婚している“勝ち組非正規”と、未婚の“負け組非正規”とでは大きく状況が異なります」と指摘する。

 「子育てがひと段落し、家計補助 のために働いている主婦と、大学卒業後、正社員としての就職が決まらず、派遣社員の収入で生計を立てている未婚女性とでも立場は違います。後者のほうがよりストレスフルな状況にあると推測されます」

 研究では、初職の状況と未婚率の関係についても分析した。その結果、初職が非正規だった人は、男性だけでなく女性でも未婚率が高まることが判明している。

 なぜ、非正規の女性は結婚しづらいのか。小塩さんは「出会いの場が限られるからではないでしょうか」という。正社員は研修や職場の飲み会など、社内ネットワークに参加できるが、非正規はコミュニティーから締め出されがちだ。その分、どうしても結婚相手を見つけにくくなってしまう。

 非正規の男性は、さらに厳しい現実に直面しているのは言うまでもない。女性のようにライフコースの選択肢がなく、最初の就職で失敗すると、軌道に戻るのが難しくなるのが日本の雇用の現実だからだ。収入面から結婚も難しくなる。小塩さんが行なった調査によると、男性の場合、初職が正規だった人の平均年収は550万円、非正規だった人は332万円で、200万円以上の差があった。

 国が「標準世帯」を「会社員の夫と専業主婦の妻、子ども2人」と定義したのは1969年。共働き世帯の数が専業主婦世帯を大きく上回る今、まったく現実的なモデルとはいえないが、「男は就職して妻子を養うもの」という一種の社会的規範は、いまだに日本の男性たちをがっちり縛っている。

 もちろん、あえて自由な働き方、生き方を選ぶ人も増えている。だが一方、正社員になれず、結婚できない氷河期世代の生きづらさは、この国ならではの時代錯誤な規範から生まれているのかもしれない。

 ◇「わなシナリオ」からの脱却を

 壮年期に達した氷河期世代を待ち受けているのは、親の介護問題だ。

 「実はライフイベントのうち、もっとも精神的負荷が高いのは、失業や離婚ではなく親の介護です。特に在宅介護の場合は、仕事と両立するのが難しくなり、生活が成り立たなくなる人も出てくるでしょう。今のうちに手を打たなければ、大量の介護失業者があふれるかもしれません」

 労働契約法の改正で、勤務5年を超える有期契約労働者は、申し込みをすれば無期労働契約ができるようになった。といっても、正社員になれるわけではなく、雇用形態はあくまで契約社員や派遣社員、パート、アルバイトだ。さらに法制度を整備し、同じ仕事内容であれば、賃金水準も同じとする「同一労働同一賃金」の議論ももっと進めるべきだと、小塩さんは訴える。

 キャリアについても今のモデルからの転換を図らなくては、という。

 「ヨーロッパでは、大学卒業後の数年間は期間限定の契約社員として働き、ウオーミングアップした後に正規の仕事に就く、というパターンが一般的。この就業パターンは、ステップ・バイ・ステップでキャリアを築けることから『踏み石シナリオ』と呼ばれています。これに対し、初職で非正規の仕事に就くと、そこから抜け出せない日本のようなパターンは『わなシナリオ』。非正規割合は今や労働者の40%に達しています。これだけ多くの人が“わな”に捕らえられながら生きている現状を、これ以上放置すべきではありません」

 労働人口のボリュームゾーンに当たる氷河期世代。彼らのメンタルの悪化は、国としての健康度の悪化を示すサインでもあるのだ。


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