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労働運動

1622とはずがたり:2017/12/29(金) 10:09:28


求人倍率や失業率の「改善」は一部職種の特殊要因も大きい

 よく目を凝らしてみると、「高い」と言われる有効求人倍率にも、実は、そうでもないところがあるのです。(図2)

 有効求人倍率は、様々な職業からなる求人倍率の平均値ですが、今回の景気拡張過程では、建設関連の職業で大きく上昇しました。

http://tohazugatali.web.fc2.com/labor/img_4c0d988d8800be2febbd0b1bdd1c50b683593.jpg
(注)
(1)常用有効求人倍率とは常用有効求人数を常用有効求職者数で除した値であり、職業別有効求人倍率は常用有効求人倍率で示されている。
(2)有効求人倍率には一般の有効求人倍率と常用有効求人倍率とがあり、一般は常用と臨時・季節を合わせたものである(常用とは雇用契約において雇用期間を定めないか又は4か月以上の雇用期間が定められているもの、臨時とは雇用契約において1か月以上4か月未満の雇用期間が定められているもの、季節とは季節的な仕事に就労するか季節的な余暇を利用して一定期間を定めて就労するもの[期間は4か月未満、4か月以上の別を問わない])。
(3)2016年度(第16循環の拡張過程における直近)の有効求人倍率は1.39倍、常用有効求人倍率は1.25倍(両倍率のギャップは0.14ポイント)、2006年度(第14循環のピークで第16循環の値により更新されるまでは2000年代で最も値が高かった時期)の有効求人倍率は1.06倍、常用有効求人倍率は1.02倍(ギャップは0.02ポイント)であった。
(4)職業別有効求人倍率を用いた求職者5分位階級は職業別有効求人倍率をもとに有効求人倍率が低い職業から順に並べ、それぞれの有効求職者数によって5等分し、低い方から順番に第Ⅰ分位、第Ⅱ分位、第Ⅲ分位、第Ⅳ分位、第五分位とした。
(5)(4)における各分位の推計にあたっては、各分位間にまたがる職業については、求職者数をもとに線形補間法で按分した。

 アベノミクスの「三本の矢」の経済政策は、金融緩和、財政発動、規制緩和、の三つですが、公共事業のための財政発動も進められ、建設関連職種を中心に求人は増加してきました。

 しかし、事務や組み立てなど、求人倍率の低い職業を希望する求職者にとっては、事態はそれほど改善していません。(とは註:日本はユートピアではないのだから求人のあるところで働かねばならない。この仕事じゃないと嫌ってのは我が侭である。但し折角土建屋減らすべく頑張って来たのにアベノミクスが台無しにしてしまった。土建屋が利権化した公共事業を減らすなと今後も圧力を掛けてくるであろう。日本の将来に必要な仕事は土木ではない。)

 21世紀に入り最高水準に達した2016年度の値を、第14循環のピーク時(2006年度)と比較してみると、求人倍率の低い層では大した違いはなく、求人倍率の高い層でより高くなって、平均値で見求人倍率が引き上げられています。

 これらに加えて、近年では、契約期間の短い臨時労働者の求人も多くなり、臨時・季節を除く常用有効求人倍率は、一般の有効求人倍率ほどには高くない、という事実も指摘できます。

「労働市場論」を前提にすれば、高い賃上げのために、労働力需給が引き締まっているというストーリーは都合がよく、有効求人倍率の上昇は、そうした都合に答える指標の動きといえます。

 こうした状況のもとで、有効求人倍率の上昇をはやし立てる雰囲気が作られ、その内実は語られることが少なくなっていくわけです。


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