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労働運動

1611チバQ:2017/12/19(火) 21:22:41
■個人の違和感は、社会に通じている
渡辺さんは、派遣社員として契約を更新しながら働く一方で、参議院厚生労働委員会で、派遣労働者として初めて参考人として発言するなど、当事者としての立場から常に発言を続けてきた。当事者の立場から見た一般事務の派遣社員の働き方の問題点をまとめ、寄稿もしている。

渡辺さん)派遣労働という制度自体がおかしい。そんなことを、遅まきながら50代になって気づきました。

40代までは「自分磨き」に熱心で、資格も10個以上取りました。大学に通うほど時間や金の余裕はないけれど資格試験は頑張れば受かる。自分のスキルを証明するものを手っ取り早く得らえる手段でした。

当時はまだ、自分がスキルアップすれば状況も改善するかもしれないと思っていたのでしょう。働きぶりを認めてくれ、会社に正社員への推薦状を書いてくれた部長もいました。でも、認められませんでした。

不満はありましたが、客観的に自分が置かれた環境の意味を考える段階ではありませんでした。不満はあっても、それを言葉にすることをしてこなかったからです。

そんなころ、派遣労働者の当事者が語るシンポジウムに出て欲しいと頼まれました。初めて人前にで、上司への不満や待遇への違和感を語りました。振り返ると、視点が独りよがりだったかもしれません。


この時、労働問題に詳しい弁護士に「いま話したことを全部書いてみなさい」と助言を受けました。初稿はメチャクチャでしたが、自分を見つめるプロセスのはじまりでもありました。

「派遣」特有の理不尽な働かされ方は、どういう法的根拠があるから許されているのだろうか。日頃感じている違和感や疑問を手がかりに、関連の本を読むようになりました。個人的なことだと思い込んでいたことが、政治や社会とつながっていると分かってきました。

自己を突き放し、置かれた環境を客観的に眺める視点がなければ、違和感を言語化し、事情を知らない人に分かってもらうこともできない。文章にする大事さを知るとともに、私が抱いてきた違和感は、言語化される価値のあるものだったと確信するようにもなりました。

非正規の労働者は、日本型雇用の枠外に置かれ、雇用の調整弁の役割を担わされてきました。その約7割が女性です。日本で働く女性の約半分は、派遣も含めた非正規労働者です。

2016年に施行された「女性活躍推進法」も、国が企業に報告を求める項目をみると、正社員、総合職など一部の「働く女性」を想定したものばかりです。多くの女性たちはその枠外に置かれ、男女の賃金格差や非正規の大半が女性、という現状が厳然としてあるのに、報告の項目にはないのです。

女性を巡る待遇は「活躍」どころか、女性の間の「分断」を招いているとすら思っています。

派遣社員は、職場で孤立感を抱きがちです。派遣なので、相談したくても派遣先の職場の上司に相談できないし、かといって派遣元の担当者と会うこともほとんどありません。

そんな環境で気持ちが隔絶され、自分が抱えている仕事や雇用の問題や悩みは自分だけの問題と思い込んでしまう。だけど、それはあなたたちの問題じゃない。社会や制度がもたらしたものなのだと伝えたい。

一人一人ができることは本当に小さなことです。微力だけど、無力じゃない。そんな言葉を大事にしています。

錦光山雅子/ハフポスト日本版ニュースエディター


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