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労働運動

1134名無しさん:2016/04/20(水) 22:09:17
>>1133

 値上げできない企業は下請けへの値引き圧力を強める可能性が高く、今度は下請け以下の企業で、賃金の抑制効果が働いてしまう。

 これは日本の産業構造そのものの問題であり、これを変革しない限り抜本的な改善は難しい。

 失業率の低下と賃金上昇という健全なプロセスを実現するには、経済成長を実現するしかないが、現在の日本の状況では難しいだろう。

 日本は女性の労働市場への参加率が低く、理屈の上では、まだ労働市場への供給余力が残っている。コストの安い労働力の流入が続くことになれば、賃金が上がらないという現在の状況も同様にしばらく継続する可能性が高い。 

■ 中国人「爆買い」は日本の物価の安さの裏返し

 このようにして日本は、知らず知らずのうちに、主要国の中で最もコストの安い国に変貌しつつある。米国では大卒の初任給が40万円を超えることも珍しくないことを考えると、皮膚感覚としての物価はすでに日本の2倍である。こうした状況はアジアでも同じである。

 タイなど東南アジアの国々は、かつては物価が安いというイメージがあった。実際、年金生活者の中には、物価の安さに惹かれてタイなどへの移住を決断した人もいる。

 だが東南アジア各国は、急激な経済成長によって物価も急ピッチで上昇した。例えばタイの消費者物価指数はここ10年で1.5倍近くに上昇している。タイの都市部において、ちょっとした昼食代が1000円を超えることは珍しくなく、もはや日本と変わらない水準だ。物価が安いことを前提に移住した年金生活者の中には生活が破たんする人も出てきているという。

 消費が振るわない日本にとって、爆買いにやって来る中国人観光客は小売業にとって頼みの綱だが、これも日本の物価の安さの裏返しともいえる。彼等が日本に積極的にやってくるのは、日本での買い物そのものにブランド的な価値を見出しているということもあるが、物価が安いことも魅力の1つとなっている。

 日本人はこれまで自国のことを「付加価値が高い国」と認識してきたが、この状態が続けば、こうした認識もそろそろ見直す必要が出てくるかもしれない。コストが安いことを逆に生かせば、それは1つの戦略ということにもなるだろう。だが付加価値が低くなれば、日本人全体におけるグローバルな購買力は低下し、相対的な豊かさは享受できなくなってしまう。

 日本は今後も先進国として高付加価値を目指すのか、逆に低コストを利用すべき立場なのか、そろそろ決断する時期に来ているのかもしれない。

加谷 珪一


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