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労働運動

1043とはずがたり:2015/12/27(日) 18:16:02

そのためにできることの1つを例に挙げると、人事異動の方法を変えること。頻繁に部署を異動させ、専門をコロコロ変えさせてジェネラリストを育てるのではなく、その社員の一番よい面を引き出せる環境を育むことが重要なのです。アメリカのように雇用の流動化が激しい文化においても、社員がとどまりたいと思う職場環境を提供することや、社員の能力開発に長期計画を作成することは、成功を収めている企業の特徴となっています。

敬遠される業務もプラスの要素で「やりたい仕事」に
さらに、企業が社員の力を最大限引き出そうとするとき、社員の「エンゲージメント」に目を向ける必要があります。エンゲージメントとは、企業や仕事に対する関与の度合いを示します。そのとき重要なのは、仕事に対して社員が感じている情熱というレベルまで深掘りして評価することです。簡単に言えば、エンゲージメントが高い社員は、仕事に対するやる気が非常に高いということになります。

米ギャラップによる調査(2013年)によると、日本でこのエンゲージメントレベルの高い社員は7%、低い社員は69%。アメリカは、高い社員が30%、低い社員が52%。世界平均は13%、63%でした。日本人から見ると受け入れにくい事実かもしれませんが、実は、日本企業の人事慣行に深く関係していると私は考えます。自分が興味を持っていない部署に異動させられると、いやいや仕事をやるので、いい結果が出るはずがありません。

アメリカでは、人がやりたくない仕事でも市場原理が解決してくれます。例えば、勤務先が辺鄙、仕事の内容がつまらなくても、会社側が給料を他の部署よりも上げることで、外部からその仕事をやりたい人が入ってきます。つまり、マイナスに見える仕事も、何かプラスの要素を足すことで、労働者にとって魅力的な仕事へと変えることができ、その仕事に納得したうえで従事する人を生み出せます。

無理矢理やらされるのではなく、企業が付加価値を付けたことで社員が自分からその仕事を選ぶので、エンゲージメントレベルも上がるのです。会社のニーズと人がやりたいことをマッチさせるのが労働市場。会社側がその人に何を担当させるのか決めていたのが今までの日本の会社でしたが、これからは本人がやりたいと思わせる仕事や条件を作り出し、本人が選んだと思えるようにしていくことで、やる気も成果も上げることができるでしょう。

一生献身的な日本、全力で尽くしても心変わりの早い米
日本人はアメリカ人よりも愛社精神、会社に対する忠誠心が強いとよく言われますが、愛社精神に対する考え方が異なります。アメリカでは、社員は自分が会社にどんな貢献ができるか、どういう付加価値を提供できるかが重要で、会社側はその社員を最大限に活用するために最高の環境を与えます。いわゆるギブ&テイクの関係が、明確な利益によって成り立っているのです。ジャネット・ジャクソンの歌に“What have you done for me lately?(最近あなたは私に何をしてくれた?)”という曲がありますが、まさにアメリカの会社の気持ちを表しています。

もちろんお互いの関係が長く続くに越したことはありませんが、ビジネスとその環境は常に変化するので、利害関係が成り立たなくなったり、求めるものが変わったりすれば、社員も変わるのは当たり前だと考えます。ですから、全力で尽くした会社であっても、その関係性が変われば2、3年で会社を離れることは自然。決して長期的に働くこと=忠誠心ではありません。

日本では同じ会社で長く働き続けることが美徳とされてきましたが、まさに今、変わりつつあるのではないでしょうか。日本企業は実質よりも、フェイスタイム(所定労働時間の前後に会社で自分の顔を見せている時間のこと)やプレゼンティーイズム(効率的に働くことができる時間が過ぎても職場に残っている傾向)を重視しますが、それは無駄だと思います。それが生産性を上げることにはつながっていないことに人々は気づきつつあります。


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