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労働運動

1016とはずがたり:2015/11/22(日) 22:29:03

■現在のビジネスはアートの領域に近づいている。
日本の成長を長年にわたって牽引した企業は、その多くがモノ作りに関わっている。モノ作りで重要な事は「生産管理」だ。

生産管理とは、一定の品質の製品を、納期に合わせて効率的に作る事を意味する。つまり設計やデザインだけが素晴らしくても、商品を顧客に届ける所まで実現できなければ意味が無い。一つでも欠陥品が出荷されてトラブルが起きれば、企業は莫大な損失を被り信用は失墜する。

ではグーグルやフェイスブックのような企業はどうか。フェイスブックは「フェイスブック」というウェブサービスを顧客に合わせて何千万個、何億個と作る必要は無い。たった一つだけ高品質なサービスを作れば、それをいくらでも多数の客に展開出来る。オフィスやウィンドウズのようなソフトウェアでも、最初の一つを作るためには莫大な開発コストがかかっても、二つ目はそれをコピーしてCDに焼き付けるだけだ。このように、モノ作りとソフトウェア・ウェブサービスは全く異なるビジネスの構造を持つ。

たった一つの優れた商品を作れば良いという構造はアート作品を作る行為に似ている。極論を言えば偶然でもヒット作が出来ればそれでも良い。フェイスブックのオフィスがアトリエのような作りになっていることは決して偶然ではない。社員は従業員ではなく「アーティスト」であり、そんな人材を湯水のようにつかって「偶然」を「意図的」に作り出そうとしている。

池田信夫氏が著書「イノベーションとは何か?」で指摘するように、情報産業は一つの作品を作るアートであり、イノベーションは突然変異である、ということだ。

グーグルが高度な知識・技術を持った学生に1800万円の報酬を払うのも、ビジネスの感覚ではおかしく見えるがアートの感覚ならば全く違和感は無い。

■売れないミュージシャンの経済的な価値はゼロかマイナス。
例えば人気アーティストが一回ライブを行えば数万人のファンが来場して莫大な売上が発生する。一方、売れないミュージシャンはチケットノルマで費用を負担してライブハウスに出演する。

つまり売れるアーティストの経済的な価値は青天井だが、売れないミュージシャンや仕事のない役者の経済的な価値はゼロかマイナスだ。売れないミュージシャンが何十人集まっても人気アーティスト1人の経済的価値・生産性にはかなわない。これがビジネスの世界でも起きている。

グーグルの青田買いにはアベノミクスによる円安効果も働いている。マクドナルドのアルバイト時給がアメリカでは平均10ドルになったとつい先日報じられた。今の為替レートで日本円に換算すれば時給約1200円と日本のマクドナルドより何割も高くなる。逆に言えば日本人の給料はドル換算で急激に安くなっており、日本の人材は「安く買える」ようになっている。アメリカ企業から見れば日本の新入社員の給料は、アルバイトに毛が生えた程度ということになってしまうのだろう。

※知人に聞いた話によれば、アメリカでは経験がなくとも高度人材ならば新卒でこれ位の報酬を貰うことは全く珍しくないという。

■L型の雇用・報酬体系でG型は雇えない。
こういった事を書くと、フェイスブックやグーグルみたいな企業で働く人なんてごく一部で大多数の人は関係ない、といった異論があるだろう。これは当然の指摘だが、問題はそういった話ではない。

以前、L型・G型という分類が論争になったことがある。ローカル経済圏とグローバル経済圏とに分かれた産業構造に合わせて、ローカル向けの大学教育はより実務に役立つ職業訓練にすべきではないか、具体的には簿記や会計ソフトの使い方、工作機械などの使い方を教えれば良い、という提言が賛否を呼んだ。


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