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労働運動

1003とはずがたり:2015/11/02(月) 21:13:22
>>1002-1003
第1は採用しないこと。
賢明な会社は運動部の学生のみを採用している。運動部員はしごかれ罵倒され練習を重ねる。体を鍛えることが同時に精神を鍛えることになる。監督やコーチのハードな練習命令を「はい」と聞いてその要求に応えた。諦めずに戦えば勝てることを知った。仲間と力を合わせれば、チームの力が倍加することを知った。
運動部にいた社員は仕事をいやがらない。「できません」とは言わない。暗い顔で泣きベソはかかない。入社して2カ月で逃げ出したりはしない。そのうえ集団生活に慣れている。誰とでもうまくやっていくコツを心得ている。ペーパーテストで優秀な成績をあげてきた秀才と比べてスポーツマンは現実派であり、会社にとっては即戦力になる人材である。
と断言したいところだが、この説も今は通用しなくなりつつある。
高級スーツの販売会社。全社員が運動部出身か体育会系。専務が言っていた。
「最近の新入社員、きつく叱ると泣くんですよ。高校の野球部出身がです。運動部も民主的になっちゃって、監督、コーチがやさしくなった。部員にお伺いを立てて練習メニューを作る。朝練はなし、もちろんシゴキなどありません。『巨人の星』の星飛雄馬のような根性のある学生ができるわけがない。だから会社へ入って命令されたり、叱られたりすると泣くんです。男がですよ。ウチはマスコミが体育会系の会社だととりあげてくれましたが、昔のような根性のある社員はほとんどいない。といって勉強しかできないペーパー秀才を採用する気にはなれない。これからも運動部の学生を採りますが、即戦力などにはとてもなりません」
勉強しない遊び人学生はもちろん、ペーパー秀才も運動部出身者も採用しないで済めば、それに越したことはない。

■新人を一人前にするのに研修も長期化
第2に採用したら仕事を教える前に、態度姿勢を矯正しておくこと。まっすぐ立っていられない。「はい」と返事ができない。挨拶ができない。話ができない。人の話を聞けない。集団の中で自己中心が目立つ。全部ではないがこれらが多くの若者に共通する欠点である。
会社はこうした欠点を放っておいて、新入社員にすぐ仕事の手順や技術を教える。そのほうが楽だからである。社員の抵抗も少ない。そのかわり、いつまでも「使いもの」にならない。
欠点を直すには訓練が適している。合宿による集団生活、それも知らない人と寝食を共にする。1人が不合格なら全員が責任をとる集団罰のある訓練。礼儀や生活のマナー、教官への服従、敏速な行動、話す、聞く、歌う、読む、書くなど基本能力を伸ばす訓練を行う。これにより仕事に立ち向かう姿勢、会社や上司に対する基本認識ができる。命令報告のルールが身につく。ここで逃げ出さなければ「使いもの」になる社員になれる。
第3の方法。これは会社の涙ぐましい気遣いを感じさせる。それは新人研修に気が遠くなるほど、たっぷり時間をかけることである。
目標、ノルマ、命令、競争といった怖いものに触れさせないようにする。できる限り仕事をさせない。現場に出さない。つらい目に遭わせない。学校の勉強の延長のように講義から入り、だんだんに実務訓練を取り入れ、少しずつ厳しくしていく。2カ月に半月出社して先輩や上司に慣れさせる。
研修の長期化は、仕事が難しくて教えることが多くなったからではなく、青年を会社に慣れさせるためである。短期の研修で仕事につけるとごそっと辞めてしまう。この損失は1年間遊ばせる損の数倍になる。これが長期化の理由である。
最近の大企業の新人研修は半年、1年はざらであり、1年半、2年というところも出てきている。入社式のあと研修所に送り込んで隔離する。難易度の高い技術習得のためもあるが、病原菌にいっぺんにやられてしまわないための配慮である。少しずつ免疫をつけて強くする。まるで病弱な人を空気のいいところでゆっくり療養させるように……。
人を大事にする「日本的経営」の究極の姿である。こんなゼイタクができるというのは羨ましいが、こうまでしなければ一人前の社員を得られない現実は泣けてくるではないか。


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