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Tohazugatali Tourist Bureau

4264チバQ:2019/03/10(日) 19:50:22
◆破綻した倉敷チボリ公園
 「北欧」で思い出すのは、1997年に開園、2008年に閉園した岡山県のテーマパーク「倉敷チボリ公園」である。当時主流であった第三セクター方式の運営で、世界最古のテーマパーク・チボリ公園(デンマーク)と提携し、約12ヘクタールに観覧車など約20種の遊具や遊覧ボートのある人工池を配置し、デンマークの古い街並みを模すなど趣向を凝らしていた。

 年間来場者数は初年度に298万人を超え、その後も200万人台を維持していたが、年々減少。開業から9年目の2005年度に100万人を割り込んだ。公共性を主張する行政と追加投資を求める民間の思惑がぶつかるなど、それぞれの目的にズレが生じ、地域活性化に寄与しなかったことが破綻の一因とされている。

 私の経験では、一つの組織に別々の目的を持ったメンバーが存在すると、施設運営はうまくいかなくなることが多い。TDRが成功した大きな要因は、社長をはじめ役員や社員の多くが出向ではなくプロパーであったことだ。それゆえに、企業理念が「ものづくり」に踏襲されたと思う。

 ムーミンバレーパークの場合、投資会社のトップが、株式上場や時価総額の数字にとらわれず、いかに「テーマパークづくり」に真剣に取り組むかが最大の課題となるだろう。

埼玉の秘境にムーミンパーク…北欧流に勝算は?
画像はイメージです
◆従業員はムーミン谷の「住人」
 テーマパークは、どんな施設やアトラクションがあるかということに目が向いてしまいがちだが、実は、経営や運営に重要なのは、バックヤードにある従業員のための「施設づくり」なのだ。

 TDRの場合、施設全体の面積のうち、3分の2が来場者向けのゲストエリア、3分の1が従業員のためのキャストエリアとなっている。一方、従業員の業務量はといえば、この割合が逆転し、3分の1がゲストエリアで、3分の2がキャストエリアで、となる。

 つまり、スタッフの配置管理や教育プログラムの充実、従業員食堂、休憩室、ロッカールーム、ユニホーム管理、サービス動線といった働き手のための施設づくりが十分に考えられていることが大切なのだ。

 年間100万人の来場者という目標は、従業員の自発的な協力なしでは達成できない。

 ムーミンバレーパークのスタッフ採用情報には、「ワードローブ(制服)貸与(ズボン・靴は別途ご用意をお願いします)」との文言がある。気になるのは、制服を自己管理させると、汚れたままでシワシワという事態にもなりかねないことだ。

 ささいなことのようだが、派手なアトラクションやイベントを売りにしない施設だけに、従業員がムーミン谷の「住人」としての意識を徹底し、来場者を「旅人」として歓迎する雰囲気づくりが求められる。

 そのためには、従業員の教育・研修の充実や、離職させずに定着してもらうためのコストを惜しんではならないだろう。今後、来場者数や売り上げといった数字がついて回ることになるが、数字には表れないマネジメントの姿勢がムーミンパークの将来を左右することになる。

プロフィル
芳中 晃( よしなか・あきら )
 テーマパーク研究家。1953年生まれ。79年、米フロリダ国際大学卒業後、米ウォルト・ディズニー・ワールド入社。コンテンポラリーホテル及びマジックキングダム内においてスーパーバイザー業務を行う。その後、オリエンタルランド入社。東京ディズニーランド開園前の3年間は、食堂部の教育・トレーニングとマニュアル作成の総責任者。開園後、レストラン店長、広報室に勤める。関東学園大(群馬県太田市)で教鞭をとるなど後進の育成にも力を注ぐ。2016年に米コーネル大学Hospitality MarketingのMaster Cirtificateを取得。主な著書に「ディズニーランドはなぜお客様の心をつかんで離さないのか」(中経出版)、「女性がディズニーランドを愛する理由」(同)など。

芳中 晃


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