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法学論集

2643名無しさん:2016/12/25(日) 12:57:47
>>2642

■「事件は終わらない」
「この度は本当にありがとうございます。週刊新潮さんのおかげで、ようやく衛の骨が上がりました」

 斎藤の唯一の遺族である実姉はしみじみとした口調でそう語った。そのうえで、

「だけど、私としてはまだ終わりじゃない。なぜ衛は殺されたのか。本当に矢野さんが殺害を実行したのか。真実が知りたいのです」

 当の矢野は、斎藤殺しの動機についてこう明かした。

「私は龍に1億円以上の金を貸していました。この返済が滞り、8600万円が焦げ付いてしまった。ある時、龍はこう提案してきた。“旧川崎財閥の資産管理会社『川崎定徳』の佐藤茂社長が亡くなった後、会社の資産を受け継いだ男がいる。不動産会社を営む桑野大樹社長(仮名)です。奴を攫(さら)って、不動産などの権利書類を奪ってから殺す。8600万円を2億円にして返します”と。しかし桑野社長は、住吉会の大幹部とも親交がある人物だから、“絶対、手を出すな”と厳命した。だが、翻意しないので、組事務所で大型犬の檻の中に奴を3日間、監禁しました。そして首にネクタイを巻きつけ、絞め殺したのです」

 今後の捜査はどうなるか。

「そもそも警視庁はこの捜査に消極的です。そのうえ津川さんの事件は、実行犯がすでに死亡しているので、殺人罪での立件が難しい」

 とは、先の記者だ。

「一方、斎藤の事件は、矢野自らが手を下したと供述しているので、立件せざるを得ないでしょう」

 しかも矢野が関わった未解決事件はこの2件だけに留まりそうにない。捜査関係者が声を潜める。

「矢野の指示で、前橋スナック銃乱射事件の実行犯をフィリピンに逃がす手助けをした矢野睦会の元組員、大山剛(仮名)がその後、姿を消しています。口封じで殺害された可能性がある」

 現に本誌には幸平一家の元幹部を名乗る人物から次のような手紙が届いている。

〈矢野ほど見苦しい外道はいない。私は、矢野の命令で大山を殺して埋めました。理由は、大山の親の生命保険金8000万円を奪うことと前橋事件の口封じです。逃げている身ゆえ疲れました。大山殺しでパクられること、覚悟の上でおります〉

 矢野はいずれこの件も明るみに出すつもりなのか。しかも彼の周辺には忽然と姿を消したり、不慮の死を遂げた者が他にもいる。

「矢野にはこのままでは死にきれない理由がある。時間が必要なんです。前橋事件の真の首謀者でありながら、のうのうと娑婆で暮らす許せない人間がいるということではないでしょうか。事件はこれで終わりにはならない」(先の知人)

 警視庁は、この住吉会の元大幹部の呪縛から解き放たれそうにない。

特集「永田町の黒幕を埋めた『死刑囚』の告白 ついに遺体発見!  右手に嵌っていた龍の指輪」より

「週刊新潮」2016年12月15日号 掲載

新潮社


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