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法学論集

2579とはずがたり:2016/09/07(水) 00:29:29
>>2578-2579
弁護士費用のわかりにくさは、規制緩和の流れを受けて、2004年4月から弁護士報酬が自由化したことと無縁ではない。それでも愛知県弁護士会(をはじめいろいろなところの)HPには、弁護士報酬の説明責任について明記されている。

このような複雑な仕組みがありますが、依頼者にとっては、結局、「この件でいくら必要なのか。」ということが大事なわけです。皆さんは、弁護士に「こんな質問をしたら失礼だろうか」などと遠慮せずに、自分の依頼したい件について、金額、支払時期など弁護士報酬の仕組みを質問して下さい。もっとも、依頼される件によって最終的な金額算定が難しい場合も多くあります。その際には、その見通しがつきにくい理由の説明を受けることによって納得もできるわけです。
新しい制度でも、弁護士は弁護士報酬について説明をしなければならないことになっているのです。

出典:弁護士報酬が自由化されます(愛知県弁護士会HP)
当の弁護士が支払いについて把握していないというのであったら、どうすればいいのか。また、大渕弁護士は顧問料を取っている。「顧問料を取るシステムになった」と後から請求をしたりもしている(大渕弁護士「認識不足」に依頼者が反論 法テラス「使えない」と説明受ける)。法テラスについて「知らなかった」といっているのに、「使えない」と説明したという。

このような案件で「顧問料」をとる弁護士など、少なくとも私の知る限りでは聞いたことはないので、心底驚いた。尋ねたどの弁護士さんも、「一般的ではない」と返答している。つねに対応してほしい案件が生じる可能性がある企業なら、理解できる。普通は着手金と成功報酬で対応するべき案件を、顧問料をとるならば、何もしなければしないほど、お金が発生することになっていしまう。また「委任契約書を作ることが弁護士の義務になっています」(愛知県弁護士会HP)というのに、要求されても契約書を作成しないことをはじめとして、知れば知るほどわからないことばかりだ。

大渕弁護士のようなケースはおそらくまれで、多くの弁護士さんは、良心的にお仕事をしてくれているのだと思う。しかし素人にとって、弁護士報酬はたいてい想像している以上に高額で、よくわからないものである。ぜひ丁寧に説明をしてくださるとありがたい。弁護士が移動する時間まで、タイムチャージなら課金されることなど、一般の人間には想像もつかないところから、弁護士探しをしなくてはならないのだ。

またわたしたちもどの弁護士に依頼していいのかなど、まったくわからない。「インターネットで」「知り合いの紹介で」と安直に選びがちである。しかし弁護士費用は、自由化されてから、それなりに平準化されているとはいえ、それでもかなりの差があるというのが正直な印象だ。いくつかの弁護士事務所を回って、納得がいくまで費用のことを聞き、比較の上で決めたほうがいい。また丁寧に話を聞いて気持ちに寄り添ってくれる弁護士がいいのか、実務的にゴリゴリと押してくれる弁護士がいいのか、自分自身にも聞いてみるべきだ。きめ細やかな事務所がいいのか、大手の安心感がいいのか。その分野についての知識や実績はどうなのか、どのような見通しを示してくれるのか。また何よりも人間あってのことなので、弁護士との相性はどうなのか。自分が信頼できると思える相手なのか。少なくとも弁護士に、証拠書類原本や物品を返してもらえないことなどがあれば、もう次の弁護士に依頼することすらできなくなってしまうのだから。

千田有紀
武蔵大学社会学部教授(社会学)
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。東京外国語大学外国語学部准教授、コロンビア大学の客員研究員などを経て、 武蔵大学社会学部教授。専門は現代社会学。家族、ジェンダー、セクシュアリティ、格差、サブカルチャーなど対象は多岐にわたる。著作は『日本型近代家族―どこから来てどこへ行くのか』、『女性学/男性学』、共著に『ジェンダー論をつかむ』など多数。


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