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宇宙

557とはずがたり:2014/03/02(日) 23:21:48
>>556−557

◆ファイアウォールは存在しない

 ホーキング氏の説が正しいとすると、近年一部の研究者が主張している「事象の地平線にあるファイアウォール」も存在する必要がなくなる。

 ファイアウォール説が登場した理由は、ブラックホールをめぐる別の矛盾を解消するためであった。量子力学からブラックホールをとらえた場合、情報が破壊されないだけでなく、あらゆる粒子が「一夫一婦制」の下でペアを形成していなければならない。しかし、ブラックホールから外へ出る粒子は、落ちていく粒子だけでなく、以前に出ていた粒子とも絡み合いを持とうとする(量子的もつれ)。しかし、同時に2つのペアに属することはできないので、ペアの1つは解消されなくてはならない。この時、大量のエネルギーが放出され、強烈な放射によって灼熱(しゃくねつ)の壁が生み出されるというのである。

 このファイアウォール説は、量子力学的なもつれに関する矛盾には対処できるが、アインシュタインの「等価原理」とは矛盾を引き起こす。等価原理によれば、ブラックホールの事象の地平線を通過しても特に大きな出来事は発生せず、仮に宇宙飛行士が事象の地平線を通過しても気が付かないと考えられている。ところが、灼熱のファイアウォールに出くわした宇宙飛行士は、一瞬で燃えて灰になってしまうだろう。アインシュタインの等価原理に反するファイアウォールは、以前から「存在しない」とホーキング氏などが主張している。

 一方、アメリカ、カブリ理論物理学研究所の理論物理学者でファイアウォール説を唱えるジョセフ・ポルチンスキー(Joseph Polchinski)氏は、「ホーキング氏は、ファイアウォールの代わりとして、“カオスウォール”を持ち出したようだ」と反論する。

◆論争の始まり

 ホーキング氏の新説発表以降、ポルチンスキー氏だけでなく、世界中でさまざまな研究者が反応を示している。カリフォルニア工科大学の理論物理学者ショーン・キャロル(Sean Carroll)氏は、「注意してほしいのだが、ブラックホールをめぐるすべての疑問に答える、飛躍的な新理論をホーキング氏が思い付いたというわけではない。どの謎も解決からはまだ程遠い」と語る。

「今後のホーキング氏の動向に注目したい。おそらく、優れた主張をまだ秘めているに違いない」。
 今回のホーキング氏の論文は、オンラインジャーナル「arXiv」に1月22日付けで掲載されている。

ILLUSTRATION BY NASA/JPL/CALTECH


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